選択肢が豊富すぎるトヨタ「4ランナー」
トヨタ「4ランナー」。これは新設グレードのトレイルハンター。
まずはアメリカのカリフォルニア州サンディエゴで4月に発表された、トヨタ「4ランナー」。かつて日本で販売されていた「ハイラックスサーフ」の末裔だ。
パワーユニットは2.4Lターボと、2.4Lターボ+モーターのハイブリッドの2種類がある。写真のTRDプロと、トレイルハンター、プラチナムはハイブリッドとなる。
もともと1983年にピックアップトラックの「ハイラックス」をベースにしたSUVとして、アメリカでは4ランナー、日本ではハイラックスサーフという名前でデビューした。
日本では2009年の4代目を最後に販売が終了したが、人気のあったアメリカ市場では5代目に切り替わり、今年4月に6代目へと生まれ変わったのだ。
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6代目のプラットフォーム(車の骨格)はタフガイの兄貴分、現行型のランドクルーザーやタコマなどと同じ。そのため、砂漠のレースからインスピレーションを得たというタフな見た目通り、悪路走破性に長けている。
例えば通常走行時は走行安定性を高めるために前輪の左右を繋いでいるスタビライザーを、悪路ではボタン1つで切り離して、左右輪の自由度を高めることで高低差の激しい路面にしっかりタイヤを接地させて走りきることができる。
4ランナーのラゲッジ。
MUD(泥濘路)、SAND(砂地路)、DIRT(未舗装路)などそれぞれの路面の状況に合わせて駆動力の制御を最適化してくれる走行モードは4WDのローとハイのどちらでも選べる。
また「クロールコントロール」は悪路走行時にエンジン出力とブレーキを自動的に制御してくれるので、ドライバーは悪路を走破するためのステアリング操作に集中できる。
4ランナーのレザーシート。
山道を楽しみたいオーナー向けのモデルとして、新たに「トレイルハンター」というグレードが設定されたことも注目点だ。
足回りにARBをはじめとした社外のオフロード専用メーカーのパーツが組み込まれ、フロント2インチ/リア1.5インチがリフトアップされている。
こんな風に社外パーツメーカーと協力して開発した“アゲ車”が、最初からカタログモデルとして設定されるなんて、日本のトヨタならほぼあり得ないだろう。
2WD/パートタイム4WD/フルタイム4WDがあり、グレードも9種類と選択肢が豊富。
4ランナーは今年秋にアメリカで販売が開始される予定。プラットフォームを共有する「ランクル250」とカブる部分もあるので、日本への導入は微妙だ。
けれど、日本の愛知県・田原工場で生産されるのだから、船積みの際に埠頭に並べる1列分だけでも、船に乗らずに港に留まってもらいたい。
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