「オトナ生活相談室」とは…… さまざまなメディアで活躍する精神科医・名越康文さんが30代、40代男性の悩みに答える本連載。
今回は、どこの家庭でも“あるある”な家事分担の問題にバッサリ切り込む。
▶︎すべての写真を見る 案内人はこの方! 名越康文●1960年奈良県生まれ。精神科医。近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪精神医療センター)にて精神科救急病棟を設立、1999年に退職。臨床に携わる一方、テレビやラジオでのコメンテーターやコラム執筆など、多方面で活躍中。相愛大学、高野山大学、龍谷大学客員教授。近著に「とげとげしい言葉の正体はさびしさ 5000人のカウンセリング経験から得た精神科医の知見」(夜間飛行刊)。
【Question #03】夫はどのくらい家事を負担するべきでしょうか?
共働きですが、妻より自分の方が稼ぎがあります。稼ぎに差がある分、家事や育児の負担も差があっていいのではと思っています。自分もゴミ捨てなどはしますが、妻からは「もっと家事をしてほしい」と文句を言われます。一般的に夫はどれくらい負担するべきでしょうか?(39歳・神奈川県)
【Answer】まずはパートナーとの意識のギャップを埋める努力を!
日本の場合、小さな子どものいる男性の家事・育児の分担比率は約15%程度
※といわれています。この比率は欧米と比べて2倍以上低く、日本には「男性は仕事、女性は家事」という考え方が社会に根強く残っています。
※総務省「社会生活基準調査」(2021年調査)https://www.stat.go.jp/info/today/pdf/190.pdf(※P7図4参照) いろいろな人の話を聞くと、「妻と5分5分で分担している」と思っている方でも、客観的に見たら2割程度しか分担していないということも少なくないのです。
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