メガネやコンタクトレンズから解放される画期的な手術として、一躍人気を集めたレーシック手術。だが、視力が戻ったという意見がある一方で、不調を訴える人もいる。
レーシック手術が開発されてから30年以上。今、どんな変化が起きているのか。誕生当時からレーシック手術に関わってきた深作眼科の深作秀春院長に聞いた。
話を聞いたのはこの人!
深作秀春⚫︎医療法人社団秀仁会深作眼科院長。国立滋賀医科大学を卒業。1988年に同院を開院。神奈川と東京にある病院には全国から患者が集まる。国際眼科学会で最高賞を20回も受賞。世界最高の眼科外科医の称号であるクリチンガー・アワード受賞者。『白内障の罠』『緑内障の真実』『視力を失わない生き方』(光文社)、『100年視力』(サンマーク出版)など、著書も多数。
レーシック手術って本当に安全なの?
――レーシック手術が一般的になったと思うのですが、不調があるという声もあって、本当に受けていいのか不安なのですが……。 まずレーシック手術というのは、1990年に考案された手術で、目の表面にある角膜をエキシマレーザーというレーザーで削って、角膜の形状を変えることで、視力を矯正する手術です。精度を上げるために何度も改良が重ねられているので、手術自体はとても安全なものです。
ただ、レーシックは保険適用じゃないんですね。そのため病院によって、値段はまちまちで、レーシックが一気に流行ったことで、利益追求型のクリニックも多くできてしまった。
ーーなるほど……。 分野の違う病院がレーシック専門クリニックを作ったり、技術のない医師が手術を行うようになって、網膜剥離や白内障などの合併症を起こしたり、角膜を傷つけたりと、トラブルが続出したんです。
さらに眼科専門医でないから、術後に問題があっても適切な処理ができなくて、患者さんが路頭に迷ったりして。こういう経緯があって、怪しげな手術というイメージがついてしまったのは、本当に残念です。
海外では眼科専門医以外はレーシック手術をできませんが、日本は医師免許さえ持っていれば、皮膚科医がレーシックをすることができてしまう特殊な環境にあるというのも問題でしょうね。
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