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「プリン体=悪」というイメージを持つ人は多いだろう。しかし、「プリン体は何か」「なぜプリン体が体に悪いのか」について、きちんと答えられる方はほとんどいないハズ。
もし油断していると結構危ないかも……ということで、今回は横浜内科・在宅クリニック院長で、24時間365日患者と向き合い続けている朝岡龍博さんにプリン体の実体について伺った。
プリン体って何? 痛風の原因になる悪者?
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ーーまず、誰もが何となくネガティブな印象を持っているプリン体とは一体何か、改めて教えていただけますか? プリン体とは「プリン塩基」のことです。プリン体は、身体をつくるのに必要な役割を果たしており、決して悪いものではありません。
しかし厄介なのは、プリン体を摂取しすぎると分解され、尿酸に代謝されます。そして、血中の尿酸が多くなりすぎると、高尿酸血症を起こし、結晶化すると痛風の発作、腎臓障害、尿酸結石を起こしてしまうんです。
痛風は「風が吹いても痛い」といわれるように、発作が起きると地獄の苦しみを味わいます。足の親指の付け根などが腫れて、動けなくなってしまうんですね。
ーー怖いですね……。痛風が「ぜいたく病」と呼ばれることがありますが、その認識は正しいものですか? 「ぜいたく病」と呼ばれる理由は、痛風の原因となるプリン体が高級食材に比較的多く含まれているからです。たとえば、しらこ、たら、あんこうなど、日常的にはあまり食べないような食材ですよね。
またビールなどのお酒にもプリン体が多く含まれています。ビールのプリン体含有量は、日本酒の5〜6倍といわれています。
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