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2024.04.17

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カツオ200gで過剰摂取になる「プリン体」のリアル!痛風の初発年齢は30歳が最多

Unsplash

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「プリン体=悪」というイメージを持つ人は多いだろう。しかし、「プリン体は何か」「なぜプリン体が体に悪いのか」について、きちんと答えられる方はほとんどいないハズ。

もし油断していると結構危ないかも……ということで、今回は横浜内科・在宅クリニック院長で、24時間365日患者と向き合い続けている朝岡龍博さんにプリン体の実体について伺った。

話を聞いたのはこの人!

朝岡龍博さん●2016年名古屋市立大学卒業。 耳鼻咽喉科を学び、2023年 横浜内科・在宅クリニック院長となり、24時間365日患者と向き合い続けている。 夜間休日に特化した家で医者が診察を行う『家来るドクター』を毎日行っている。 家来るドクター:代表顧問医師 クリニックのHP: https://yokohamanaika-clinic.com/

朝岡龍博さん●2016年名古屋市立大学卒業。 耳鼻咽喉科を学び、2023年 横浜内科・在宅クリニック院長となり、24時間365日患者と向き合い続けている。 夜間休日に特化した家で医者が診察を行う『家来るドクター』を毎日行っている。 https://yokohamanaika-clinic.com/

プリン体って何? 痛風の原因になる悪者?


Photo AC

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ーーまず、誰もが何となくネガティブな印象を持っているプリン体とは一体何か、改めて教えていただけますか?

プリン体とは「プリン塩基」のことです。プリン体は、身体をつくるのに必要な役割を果たしており、決して悪いものではありません。

しかし厄介なのは、プリン体を摂取しすぎると分解され、尿酸に代謝されます。そして、血中の尿酸が多くなりすぎると、高尿酸血症を起こし、結晶化すると痛風の発作、腎臓障害、尿酸結石を起こしてしまうんです。

痛風は「風が吹いても痛い」といわれるように、発作が起きると地獄の苦しみを味わいます。足の親指の付け根などが腫れて、動けなくなってしまうんですね。

ーー怖いですね……。痛風が「ぜいたく病」と呼ばれることがありますが、その認識は正しいものですか?

「ぜいたく病」と呼ばれる理由は、痛風の原因となるプリン体が高級食材に比較的多く含まれているからです。たとえば、しらこ、たら、あんこうなど、日常的にはあまり食べないような食材ですよね。

またビールなどのお酒にもプリン体が多く含まれています。ビールのプリン体含有量は、日本酒の5〜6倍といわれています。
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プリン体の適正量は簡単に超えてしまう 

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ーーほかにも30〜40代男性が気を付けるべき、プリン体を含む食材はありますか?

身体に良いとされている魚でもカツオ、イワシ、干物なども、プリン体が比較的多く含まれています。居酒屋メニューや、いわゆる珍味と呼ばれているものは要注意ですね。さらに問題なのは、ビールが組み合わされて、プリン体の摂取が加速してしまうことです。

ーー摂取量はどのくらいを目安にしたら良いでしょうか?

プリン体の一日の摂取量に関してガイドラインがありますが、適正量は400mgといわれています。たとえば、カツオ100gあたり200mgのプリン体が含まれています。つまり、カツオを200g食べたら、適正量を超えてしまうんです。レバーも同様の割合です。
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つまり、私たちが考えている以上に、プリン体に関しては一日の適正量を簡単に超えてしまうということです。

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ーーということは、30〜40代男性はかなりの割合でプリン体を摂り過ぎているということでしょうか……?

その可能性は高いです。また健康診断で、尿酸値がひっかかっても受診しない人が多くいらっしゃいます。しかし尿酸値が高くなり、痛風になると、一生付き合い続けなければなりません。発作がいつ起きるか分からないので、ビクビクしながら生きることになります。

30〜40代男性は、全員がリスクがあると言ってもおかしくないでしょう。実際、痛風の潜在リスクがある高尿酸血症は成人男性は、20〜25%だといわれていますし、痛風の初発年齢は30歳が最も多いといわれています。
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