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「深夜便」後藤アンカーの就職活動先、実はニッポン放送だった?

夜10時、スペシャルコラボ放送がスタート。ダジャレが代名詞の「ラジオ深夜便」後藤アンカーをもてなすように、「MUSIC10」のリスナーさんからも続々ダジャレ作品が寄せられ、和やかな雰囲気で番組は進んでいく。

「いつもは番組を仕切る側だけれど、鈴木杏樹さんの優しい笑顔に身をゆだねる幸福感はたとえようもない。生きてきてよかった」

と、感慨深げだった後藤アンカー。なんと、大学4年時の就職活動で、ニッポン放送に申込書(エントリーシート)をもらいに来たけれど、受付で「一昨日締め切りましたよ」と言われ、すごすごと帰った思い出があるのだそう。

「あれから半世紀たって、憧れだった「オールナイトニッポン」に出演できるなんて、感動!赤い糸で結ばれていたんだなぁ」と、ちょっと頬を赤らめて語っていた。

そんな後藤アンカーには、「ラジオ深夜便」を担当する前に、番組の存在意義を考えさせられる出来事があったという。

「番組を担当する前でしたが、『月刊ラジオ深夜便』に掲載された80代一人暮らしの男性のお便りに心ひかれました。その人は『深夜便のつどい』(※アンカーが各地に出向いて行うトークイベント)の抽選にあたり、開催日までカレンダーの日にちを毎日消しながら楽しみにしていたそうです。

いよいよ当日、駅から会場へ向かう同年輩の人々を見て『リスナーだ!』とうれしくなり、満員の会場で着席し『この人たちと毎晩いっしょにラジオを聴いているんだ』と思うと安心感に包まれ眠ってしまったといいます。肩をたたかれ目を覚ますと係りの人が『みなさん、帰られましたよ』と。

催しは何一つ見られなかったけれど、充実感に満たされた一日だったというお便りでした。このお便りを読んで『すごい番組だな』と思い、いずれは是非担当したいと願っていました」

民放ラジオは「華やか」(深夜便村上アンカー)

一方の村上アンカーは、初めてのコラボ放送にどんな感想を持ったのだろうか。

「民放のラジオは、華やかだなと思いました。スタジオの明るい色調や、人気俳優さんやタレントさんがMCで語りかけてくれるワクワク感、NHKとは違う音楽のポップな(?)使い方や、スタッフの方の遊び心──。皆さんのキラキラ感がNHKのラジオにもちりばめられた気がしました。振り返って、このキラキラ感の中で、自分の存在意義ってなんだろう?と改めて考えさせられました」

そう語る村上アンカーが企画を立ち上げ担当しているのが、毎月第4木曜日に放送している「みんなの子育て☆深夜便」。年齢や性別、立場を越えて、みんなで一緒に子育てについて考え応援していこうというコーナーで、今年で7年目を迎える。

村上アンカーは、こう語る。

「時にお叱りを受けたりほめられたり。リスナーはとても近い存在で、私はそうした皆さんに育てられ支えられてきました。中でも『みんなの子育て☆深夜便』は、リスナーの皆さんの声がなければ生まれることはなかったし、ここまで続けられなかったと思います」

実は、「深夜に子育てがつらいなんて話は聞きたくない」「『ラジオ深夜便』には合わないから別の時間にやるべきだ」といった声が届いたこともあったという。だが回を重ねるうちに、「子育ての孤独を受け止めてくれる場所がこんな深夜にあった」「子育ての話なんて……と敬遠していたが、人生について話しているんだと気がついた」など、子育て世代からはもちろん、幅広い世代から応援・共感の声が寄せられるようになった。深夜便リスナーが次々とつながり、その輪が広がっていくのを感じるようになったのだそう。

村上アンカーはこうも話してくれた。

「深夜ラジオは、人と人をつなげ、言葉をつなぐ場所なのではと思います。アンカーとしての私の役目は、“つなぐ人”であることかなと思っています」


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