「意欲」のふたつの側面とは
日本において、最大のシェアを占める性格適性検査にSPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)というテストがあります。
企業の採用選考や組織の分析などに使われています。そこで測定されている要素には、ふたつの「意欲的側面」があります。それが「達成意欲」と「活動意欲」です。
「達成意欲」とはまさに「意識が高い」というようなことで、高い理想/目標/志/野心を掲げようとする意欲、メンタル(精神的)な意欲を指します。
一方で、「活動意欲」とは平たく言うと「エネルギー量」「バイタリティ」のようなフィジカル(身体的)な意欲を指します。まずこのふたつの意欲を分けて考えることが重要です。
「達成意欲」>「活動意欲」は「空回りタイプ」
私は人事コンサルタントとして数多くの会社でSPIの結果を見せてもらうのですが、このふたつの意欲については注目すべき傾向があります。
それは「達成意欲」がとても高いのに、それに釣り合った「活動意欲」がなければ、その人はパフォーマンスを発揮しにくい、ということ。
考えてみれば当然で、高い理想を掲げれば、そこまで上り詰めるには、たくさんの階段を登らなくてはなりません。ところが、見合った「活動意欲」がなければ、長い道のりの途中で息切れしてしまうわけです。
専門家の隠語でこのパターンは「空回りタイプ」と呼ばれることもあります。もしかすると、今回ご相談を受けたメンバーはこのタイプなのかもしれません。
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