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激しい筋トレ、水抜きはサウナで逆効果!

ーーサウナと筋トレに関して、NG習慣はありますか? 

激しい筋トレを行った直後のサウナは控えたほうが良いです。

サウナは体に負荷をかけます。筋トレで体は疲弊していますから、すぐにサウナに入るのではなく、必ずクールダウンして20分くらい休み、心拍数をしっかり下げてから入ることを強くおすすめします。 

筋トレ後のサウナの時間については、運動で汗腺が開いている場合は5分くらいで汗が出てくる場合もありますし、私個人としては7分前後を目安にしています。長くても10分くらいにしたほうが良いと思います。 
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ーーなるほど……。

2つ目に注意してほしいのは、「水抜きはNG」ということ。力石 徹(※)の真似はしないでください。あるいは、サウナのあとのビールが美味しいからといって、水を飲まないというのもNGです。 

ただでさえ筋トレで水分を失っているわけですから、サウナに入る前に十分すぎるくらいの水分補給をしてからサウナに入ってください。

「十分な水分補給なくして、良い血流なし」です。水道管と同じで、流れが悪ければ、血管も詰まってしまうリスクもありますから。 

3つ目に、トレーニングやスポーツ活動で炎症を起こしている場合は、サウナに入るのも良くないです。

打撲のような外傷の処置方法の原則は「R・I・C・E」が大切だといわれています。まず、「安静(rest)」にして「アイシング(Icing)」をすることを優先し、ダメージを回復させましょう。
(※)力石 徹:漫画『あしたのジョー』に登場するボクサーで、ジョーの最大のライバル。減量のために極限まで汗をかき「水をくれ」と暴れながらも、蛇口を針金で縛り、水を飲まないシーンが有名。 

ーー筋トレやサウナの頻度の目安はありますか? 

やはりサウナも筋トレも無理をしないことです。サウナやワークアウトは「積極的休養(アクティブレスト)」といって、軽めの疲労であれば、軽めに体を動かしたり、サウナで血行の改善を図ったりすることで、疲労を取り除くことができます。

逆に、重い疲れがあるときは、無理をすると疲れを残してしまうことになりますから、サウナやワークアウトが逆効果になりかねません。
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サウナでは「効果」より「気持ち良さ」を大切に



ーー最近のビジネスパーソンの中には、筋トレやサウナで自分を「追い込む」方が増えているように感じます。 

昔のスポーツ選手は、俗にいう「プレーも一流。遊びも一流」なんて人が多かったようですが、今はだいぶ変わりましたよね。 

大谷翔平選手が良い例かもしれませんが、スポーツシーンだけでなく、日常生活でもアスリートとして過ごす人が増えているように感じています。
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一般の方でも「ビジネスアスリート」という言葉が示す通り、日常生活から健康に関心を持ち、自分を「律している」ことにアイデンティティを感じ、周りの人にも良い影響を与える快活なビジネスマンとして、ロールモデルになりたいという方が多い。

ーー私の身の回りにも、そういう方は増えています。 

そういう方におすすめする、筋トレ後のサウナの入り方をご説明します。一言でいうとサウナでは「リラックス」すること。サウナで大切にしてほしいのは、身体面でどれだけ効果的かというより、「情緒的な価値」です。 

サウナで感じる「いまこの瞬間の気持ち良さ」を大切にしてほしいと思います。サウナでリラックスすることで、幸福感を得られるようになっていただきたいですね。 

サウナに入ると難しいことが考えられなくなります。お風呂と違って、サウナは非日常的な高温状態ですから、ぼ〜っとしてしまいます。それを大切にして欲しいと思います。 

私個人もそうですが、コロナ禍をきっかけにしてテレワークが増えました。テレワークだと脳はフル回転しているけど、体が疲れてないアンバランスな状態が生まれやすい。

その状態が続くと、なんとなく自律神経が不安定になってしまう気がしてしまいます。そんな方も筋トレで体を軽く動かして、そのあとはサウナで「ぼーっと」する時間を過ごしてください。


ただ通えばいい、というわけではないサウナとジム。自分の身体と相談しながら、適切なペースで続けることが大切だ。

アントレース、河合良成=取材・執筆

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