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ティファニーが動き出した2000年代。ケネディJr.の良書

©︎Matt Curnock, Ocean Image Bank, Great Barrier Reef Foundation

©︎Matt Curnock, Ocean Image Bank, Great Barrier Reef Foundation


意識という点では、個人のみならず、企業や団体による支援も欧米では以前から活発だ。NYのジュエラーのティファニーは、2000年にティファニー財団を設立した。珊瑚礁や海洋保全に継続的な支援を行い、2023年には、全世界の海洋と景観の保護支援における助成金交付総額が1億ドルを突破したと発表している。



設立当時から『リバーキーパーズ』(ロバート・ケネディ・ジュニア/ジョン・クローン共著)というハドソン川流域を守る市民活動をまとめた書籍の出版記念パーティをバックアップしたり、最近も従業員向けのレストランで、磯焼けから守る藻を身近に感じるために、積極的に食事に提供し意識を促進したりと多方面からサポートを継続している。

「ティファニー財団を含む、海洋環境にコミットしている財団が集まった”オーシャンズ“5”というプラットフォームもあり、意見発信や実践が非常に活発です。リーダーシップを感じますし、意見を主張し行動することが目に見えやすい。

そして個人も寄付やファンド、チャリティ活動への参加などを通じて主張しますから、世論が政治を動かしていくという側面がある。日本にかけている部分であり、特にサスティナビリティの分野では、世論のあゆみが遅いと感じますね」。

オーシャンズ5 公式サイト:https://www.oceans5.org/

オーシャンズ5 公式サイト


SDGsへの取り組みをきっかけに、少しずつ世界標準の海洋保全に視野が広がり始めた日本。もはや、見て見ぬふりはできないどころか、待ったなしの状況だ。

海洋保全とは、壮大な海のリペアプロジェクト。漁業はもちろん、CO2や流出するプラスチックゴミなど問題も多岐に渡る。だからこそ、誰もができるところから、すぐにでも着手することが何より大切だ。

笹井タカマサ=写真 佐々木 彩=取材・文

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