桓騎の死は史上最大のクライマックス

残念ながら、桓騎は69巻で死んでしまいます。趙の三大天・李牧をあと1歩というところまで追い詰めたんですけどね。

桓騎は最後の最後まで笑みを絶やさなかった。もう死ぬのはわかってるんだけど、「桓騎、死なないでくれ……」って祈るような気持ちになりましたね。

『キングダム』にはいろんな山場があるけど、最大のクライマックスはここなんじゃないかな。まぁ、桓騎が出てくるシーンは全部が山場なんですけどね（笑）。

桓騎が戦場にいると、必ず物事が大きく動くんですよ。だから、紹介したいエピソードを挙げたらキリがないんだけど、この場面は間違いなく好きですね。

秦の国門「函谷関」が落ちかけたとき、起死回生の一手で状況をひっくり返した桓騎（単行本26巻）。

主人公の信や桓騎が属する秦軍が、敵の六国（楚・趙・魏・韓・燕・斉）の合従軍に攻められる場面。結構、まずい展開になるんですけど、桓騎が窮地を救うんですよ。

魏軍の総大将・呉鳳明がつくった井闌車をめがけて、どっかからパクってきた油を桓騎兵がガンガンぶん投げて、桓騎が自ら火矢を放つ。それが、ここです。もう映画みたいな迫力のあるシーンですよね。

その後の28巻で交わされる張唐（本来、大先輩にあたる将軍）との会話も、桓騎という人間をよく表してます。
「一応お前も秦の人間なんだぜ？」って感じだけど（笑）。

でも要は、桓騎は秦国の将軍だけど、秦の人間としては戦ってないんですよ。仲間のために戦ってる。そこは一貫してるんです。

この会話の後に桓騎が敵軍の大海原を堂々と渡っていくシーンがあるんですが、それもめちゃめちゃカッコいいんで、詳しくは動画の方をぜひ見てください。