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ポリフェノールがもたらすさまざまな健康効果

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――ほかにも、コーヒーにはいろんな健康効果があると聞きました。

はい。コーヒーには抗酸化作用のあるクロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールが多く含まれています。このポリフェノールが身体にメリットをもたらしてくれるんです。ポリフェノールは、ブルーベリーやサツマイモの皮、リンゴなどにも多く含まれる物質ですね。
 
――具体的な効果を教えていただけますか。

まず糖尿病リスクの低下です。ある研究では、コーヒーを1日1杯飲んだ人は13%、2~3杯で42%、4杯以上で47%も、糖尿病になる確率が下がったという報告があります。

また肝炎・肝硬変の予防にも期待できます。医学的根拠の高い研究では、コーヒーを飲む人と飲まない人を比較すると、飲む人は約40%も肝硬変になるリスクが減っています。C型肝炎の進行も食い止めてくれるそうです。
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そして、1日3杯コーヒーを飲んでいる人は男性で10%、女性で13%、死亡率が下がっているという研究があるんです。痛風に関しては1日4~5杯の摂取で40%も発症リスクを下げる効果も。ほかにもパーキンソン病、口腔咽頭がん、前立腺がんなどのリスクの軽減も期待できます。

さらには、筋トレや有酸素運動の前にコーヒーを飲むことで脂肪燃焼効率をアップさせる効果もあるんですよ。運動前にコーヒー、運動後にプロテインを取り入れれば、効率的にトレーニングできます。
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カフェインが苦手な人はデカフェコーヒーでも効果アリ

――コーヒーの効果的な飲み方はありますか?

ポリフェノールは酸化しやすい特徴がありますから、挽きたてやドリップしたコーヒーを飲むのが効果的でしょう。ちなみに最もポリフェノールの量が多いのは、浅煎り豆を使用したコーヒーです。

また、糖尿病リスクを意識するなら砂糖無しのブラックでしょうね。ブラックが苦手な人は砂糖を減らしたり、ミルクを入れたりしてみるといいと思います。

カフェインが身体に合わない人の場合、カフェインが含まれていないデカフェコーヒーでも、ポリフェノールは含まれているので、同じような効果が期待できます。ぜひ試してみてください。
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――コーヒーを飲むときに気を付けることはありますか。


先ほども少し触れましたが、カフェインの過剰摂取は危険です。1日2~3杯程度が好ましいですね。あとは遅い時間に飲まないことと、起床後すぐに飲むのも避けましょう。自律神経のリズムが崩れてしまいます。そのため、起きてから90分ほど経ってから、飲むのが理想的ですね。

また、眠気覚ましや集中力の向上といったカフェインのメリットは、カフェインの耐性がついてしまうと効果が乏しくなってしまいます。2週間飲んだら、2週間休む。あるいは、摂取量を減らしたり、デカフェに置き換えてみたりするなど調整しましょう。

特に30、40代の働き盛りは、仕事の頑張りすぎで睡眠不足の人が少なくありません。そうなると、自律神経失調症やうつ病のリスクが高まります。多量摂取の常用は危険ですので、疲れたときは可能な限り、しっかり栄養と睡眠をとってくださいね。


コーヒーは用法容量を守れば、さまざまな健康効果が期待できる。まずは、できることから生活の中に取り入れてみよう。

 アントレース、冴島友貴=取材・文

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