OCEANS

SHARE

20数年を経て蘇ったセニック「E-Tech エレクトリック」

セニック「E-Tech エレクトリック」。自動運転レベル2相当の先進運転支援機能が備わる。

セニック「E-Tech エレクトリック」。自動運転レベル2相当の先進運転支援機能が備わる。


フランス車好きくらいしか知らないだろうけれど、かつてルノーに「セニック」という車があった。メガーヌのファミリー向けモデルとして、5つの独立したシートを前後2列に備えたミニバンのようなモデルだ。

結局一代限りで消滅……したかと思いきや、20数年の時を経てSUVとして戻ってきた。しかもBEVで。 

SUVでBEVになっても、セニックが「週末や休日に長距離を移動する家族のメインカー」という位置付けは変わっていない。1回の充電で最大625kmも走るのだから、確かに家族との旅行やキャンプもたやすくこなせるだろう。

3タイプの走行モードから任意のモードを選ぶと、動力特性等が変わるだけでなく、照明やドライバーズシートの座り心地、ペダルのレスポンス等までモードに合わせて変えてくれる。

3タイプの走行モードから任意のモードを選ぶと、動力特性等が変わるだけでなく、照明やドライバーズシートの座り心地、ペダルのレスポンス等までモードに合わせて変えてくれる。


しかも、新しいセニックには「AI」が付いている。
advertisement

例えば初夏のドライブなどで車内が暑くなってきたらAIが「エアコンを入れませんか?」とダッシュボードのスクリーンから提案してくれる。

あるいは窓が曇り始めたらデフロスターを、車内の空気を循環させているのに窓が開いていたら閉めるようにアドバイスしてくれるのだ。

また、上記のリリック同様、Googleを車内システムとして活用しているので、「OK、Google」からあれこれ操作が可能。

加えて、ルノーも開発に参加したというアプリを含めて、50種類以上のエンタテインメントアプリがダウンロードできるので、ロングドライブ中に子供がぐずることもないだろう。

ガラス自体が透過/不透過に切り替わる大型サンルーフを装備。前後左右の4エリアに分けられ、それぞれの下の席にいる乗員の好みで透過/不透過が選べる。しかも音声で操作可能。

ガラス自体が透過/不透過に切り替わる大型サンルーフを装備。前後左右の4エリアに分けられ、それぞれの下の席にいる乗員の好みで透過/不透過が選べる。しかも音声で操作可能。


日産「アリア」と同じプラットフォームのBEVだし、ルノー単体で日本導入は難しいなら、日産と三菱という日本の盟友とともに販売してくれないだろうか。あるいはセニックベースの三菱の新BEV、なんてのも面白いんじゃなない!?
3/3

ボルボ初のミニバン「EM90」は“動くスカンジナビアリビング”

ボルボ初のBEVミニバン。

ボルボ初のBEVミニバン「EM90」。


もはやVIPや芸能人がミニバンで移動するのは当たり前。それを受けて23年登場したトヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」は高級感を増し、ついにレクサスからもミニバンの「LM」が間もなく発売される。

しかし、中国では先代のレクサスLM(日本は2代目 LMからということ)が2020年から販売されているし、今度の2代目LMも既に23年8月にデビュー済みだ。

このようにミニバン人気の高い中国で、またまたラグジュアリーなミニバンが誕生した。開発したのはボルボで「スカンジナビアの広々としたリビングルーム」で旅ができるという「EM90」だ。

大きなデジタルディスプレイが印象的な運転席。

大きなデジタルディスプレイが印象的な運転席。


ラグジュアリーなシートはゼログラビティシート、つまり無重力のシートと同社が謳うほど座り心地にこだわられている。そこに座って上を見上げれば大きなサンルーフがある。もちろん空を見上げることができるが、このサンルーフ、それだけではないのだ。
advertisement

いくつもの照明やカーテン等を使って、オーロラを再現した設定から、スウェーデンの森や夏至の夜明けを想起させるテーマまで、本場のスカンジナビアムードを演出してくれるのだという。

独自のラグジュアリーを表現した、スカンジナビアンデザインの内装。

独自のラグジュアリーを表現した、スカンジナビアンデザインの内装。


もちろんインテリアは、他のボルボ車同様、スカンジナビアンデザインのディテールが随所にちりばめられている。まさに、スカンジナビアの広々としたリビングルームで旅ができる仕様になっているのだ。

「まずは中国で」23年11月12日から販売が始まったが、「まずは」ということは他国での販売もある!? 欧米よりミニバン人気が高い日本は、当然最有力候補のはず!

籠島康弘=文

SHARE