日本オリーブオイルソムリエ協会が誕生したのは2009年。オリーブオイルについて正しい情報などを発信していく団体があってもよいのではないか、というのが設立のきっかけだそう。
【写真8点】「日本オリーブソイルソムリエ協会が誕生したワケ」の詳細写真をチェック 一般社団法人日本オリーブオイルソムリエ協会代表理事の多田俊哉氏。
食品で品質偽装されているものが多く出回ると、ニュースになったり、場合によっては事件や裁判になったりする。
しかし、なぜかオリーブオイルに関しての品質偽装は特に大きく取り沙汰されることはなかった。
実態を明らかにすることで、オリーブオイルを敬遠する人が出るかもしれないとの懸念の声もあったが、オリーブオイルの真実を多くの消費者に知ってもらいたい想いが強かった。
オリーブオイルは果実を物理的にただ搾るだけというきわめて単純な工程で作られる。化学薬品などを使った抽出や精製は行われない。だからこそ、果実の鮮度や質、搾油の技術がダイレクトに品質に反映される。
最高等級に認定された「エキストラバージン」オリーブオイルなら、鮮度の高い果実を高い技術と細心の注意で搾油するので、豊かな香りと素晴らしい風味で食べる者を魅了する。
しかし、店頭で販売されている「エキストラバージン」を名乗るオリーブオイルの8割以上が品質偽装品だと言われている。品質等級を定める国際基準はあっても、これほどまでに基準が守られていない現状は、意外と知られていない。
では消費者が良いオリーブオイルを見極めるためにはどうすればいいのか?
品質を見極めるポイントは「香り」だ。オリーブオイルは一本一本風味が異なるので、香りを嗅ぐだけで、品質はほぼわかるという。
高品質オリーブオイルであれば、草原の緑や新鮮な青りんご、ときにはシナモンやミントの香り、あるいは芳醇なトロピカルフルーツの甘い香りで満たされている。
一方で、古くなって酸化してしまったオリーブオイルは、クレヨンや輪ゴムの臭いが漂い、口に入れると、べたっとして喉がイガイガするような不快感を感じる。
昨今ではオリーブオイルソムリエが輸入、販売をしている店舗も増えてきている。
素晴らしいオリーブオイルを見つけるための近道は、オリーブオイルに関する知識を深めることだが、日本に古来からあった食材やスパイスではないため、知らないことも多い。
日本オリーブオイルソムリエ協会では、専門家を目指す人はもちろん、選び方や使いこなしを学びたい人に向けて、「ジュニアオリーブオイルソムリエコース」を開講している。
歴史や工程、健康効果などを学びながら、オリーブオイルの味わいを極めるテイスティングも併せて学べる基礎的な講座だ。資格が授与されるので、肩書にも使える。肩書もさることながら、自分自身が選ぶ力を持てるのが何よりうれしい。
オリーブオイルやオリーブオイルソムリエに興味があれば、協会のHPを訪ねてみてはいかがだろうか。
[問い合わせ]日本オリーブオイルソムリエ協会www.oliveoil.or.jp