腕時計「パシャ ドゥ カルティエ」SSケース、41mm径、自動巻き。157万800円、ブレスレット130万6800円/ともにカルティエ 0120-1847-00、パーカ12万9800円、中に着たパーカ11万2200円/ともにストーン アイランド(ストーンアイランドジャパン 03-3400-1707)
自分らしさを表現するのに、ファッションは打ってつけのツールだ。
動きやすく先鋭的なテック系のウェアでまとめ、右腕には釘のモチーフが個性的な「ジュスト アン クル」 のブレスレット。そして左腕には、パーカの袖リブの上から「パシャ ドゥ カルティエ」を。
1985年に生まれた“初代パシャ”は、若かりし頃に憧れたカルティエの代名詞的存在。最新のクロノグラフにも特有のアートな雰囲気が漂い、プッシュボタンにセットされたカボションと針のブルーが美しくリンクする。
力強く、そして華やかに。この日迎え入れた新しい腕時計も、自分らしく楽しみたい。そんなことを思いながら、自然と笑みがこぼれる。
向こうから聞こえるある夫婦の楽しそうな会話も、幸せなムードを助長する。
腕時計「サントス ドゥ カルティエ」K18YG×SSケース、縦47.5×横39.8mm、自動巻き。175万5600円、リング19万300円/ともにカルティエ 0120-1847-00
思えば、ふたりのカルティエデビューは結婚指輪だった。以来、カレンダーの特別な印はブティックを訪れた証しでもある。
この日身に着けた「サントス ドゥ カルティエ」も妻からのプレゼント。8本のビスが打ち込まれたマッシブなベゼルデザイン、パリの美意識に通じるスクエアフォルム。
何より飛行家サントス=デュモンの「飛行中に使いやすい腕時計を作ってほしい」というリクエストから生まれた精神性にも男心をくすぐられる。
エレガントでいて、Gジャンにも寄り添うタフネス。世界初の紳士用腕時計ともされる「サントス」を選ぶあたり、やはり妻には頭が上がらない。
グッドセンスなギフトのお返しを手に、店を後にする。あの客とは、趣味も帰る方向も違う。それでも親近感を覚えるのは、カルティエの魔法のせいかもしれない。