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薄毛の原因は男性ホルモンにあった

ここからは、編集部Tが、薄毛の悩みを伊熊先生に質問してみた。

ーー30歳を過ぎて生え際の後退が目立ってきました……。ぶっちゃけ今の状態ってヤバイですか?

編集部Tの生え際の状態。

編集部Tの生え際の状態。


伊熊 額を囲む生え際のあたりはもっとも薄毛が早くから始まる場所なんですが、確かにやや後退気味ですね。ヤバくないとはいえないけれど、これ以上進行させないために、しっかりケアはしておきたいかも。

ーーどういう状態の薄毛が危険なんですか?

伊熊 そうですね、その前にまずは毛髪のメカニズムから説明しましょう。髪が生まれてから抜けるまでの髪の一生を毛周期(ヘアサイクル)といいます。男性の場合、髪の一生は2〜6年で、そのほとんどの期間は髪が太く硬くなり伸びていく「成長期」に当たるのですが、この期間が著しく短くなってしまうのが男性型の脱毛です。

髪が十分に成長していない産毛のような柔らかい毛の状態のまま、太く硬くならずに寿命を迎える、つまり抜けてしまうのです。でも毛穴が存在していて、産毛のような細さでも、生えているうちなら、まだ対策次第で、次の毛周期ではしっかりした毛になる見込みはありますよ。

写真提供:デミコスメティクス

写真提供:デミコスメティクス


ーーなるほど、毛周期では「転生したら太毛だった」ってことが起こり得るんですね(笑)。やる気がでてきました! そもそも、薄毛はどんなメカニズムで起きるんでしょう?

伊熊 薄毛を引き起こすのは、男性ホルモンのテストステロンです。それが血中から細胞の中に入ると、酵素によってジヒドロテストステロンに変化します。これはいわゆる悪玉の男性ホルモンと思ってください。

すると、前頭部や頭頂部でホルモンの受容体と結合。髪を作る細胞で髪の成長を妨げようとする因子が働いて、毛周期を短縮させてしまうんです。そのプロセスは前頭部や頭頂部に限定的に起こるので、後頭部には髪があるのに、前と頭頂が薄くなってしまうという状態になってしまうのです。


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