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私はかつて、ある高名な僧侶から、「40歳までに一つ趣味を持つ、50歳までに二つ、60歳までに三つ趣味を持てば、一生孤独にはなりません」と言われたことがあります。今でもとても大切な指標ではないかと思っています。
 
30代は救急病棟に勤務しており、働きづくめでしたが、同僚の看護師さんたちに誘われて釣りに行ったり、近所の道場で居合いを始めたりもしました。
 
40代になって始めたのがウォーキングです。誰にでもできて、お金もいらないから始めやすいのがウォーキングのいいところ。精神的なストレスも意外なほど解消してくれます。何も趣味がないという人には、まずはウォーキングを勧めています。
 
趣味を複数持てたら飽きがこないし、交友関係が広がり、人生が豊かになりますよ。



科学的ではありませんが、人生に幅がないと、表情にも輝きや優しさは生まれないのではないでしょうか。焦ってすぐ結婚相手を探すより、よっぽど素晴らしい出会いがあるはずです。
 
一点注意したいのは、もしそこで出会いがあっても、早急に事を運ばないこと。
 
離婚したばかりだと、気持ちの整理がついておらず、本当の自分というものを確認できていない可能性があります。
 
だいたい30代でライフスタイルはかなり確立されます。ましてや40代ともなれば、相手に合わせるのにも限界があります。当然、お互いの価値観をすり合わせていく月日が必要でしょう。
 
好きだから最初はすべてが良く見えても、一年も経てばメッキが剥がれてしまいます。そういう意味でも、会話が続く、趣味が近いなど、お互いのことを知るにはある程度の期間が必要でしょう。
 
僕に言わせれば、離婚した今こそ、目的志向で追い立てられてきた生活を改めるチャンスのとき。できたら一日一日を味わいながらゆっくり人生を再構築してみてください。

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アントレース・小野寺悦子=取材・文

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