多治見市を若い世代が活躍できる街に
〈ヒラクビル〉のオープンした2019年には、前年に比べ〈ながせ商店街〉の通行量が倍増。他の地域から訪ねて来る人も増えています。
「〈ヒラクビル〉のオープンと同じ年に、築50年の空きビルを改装した〈新町ビル〉ができました。セレクトショップやギャラリーが入っていて、とても人気があります。多治見を訪れた方が回遊できるようなお店が増え続けているんです。お客さまも増えていますが、訪れる先のお店も年々増加。
そしてお店同士の交流も活発で、私も〈ヒラクビル〉のスタッフも〈新町ビル〉の方や他のお店の方ともつながりを持ち、お互いのお店をお客さまに紹介しています。そんな様子が楽しそうに見えて、自分もやってみたいと思う方も増えているのかもしれません」
新たな拠点づくりや仲間を増やすことでまちを盛り上げていきたいという小口さん。
「これからは〈ヒラクビル〉をしっかり育てていくことはもちろん、面白いお店があればテナントに入ってもらうなどリニューアルもしていく予定。どんどん形態を変えながらも、『人が過ごす場所で、人が集まる場所』であり続けたいと思っています。そして今後は宿泊の事業をやりたい。多治見の素材を使い、この場所の良さを感じられるような宿を作ることが目標です」
さまざまな活動をしていくなかでも、小口さんには一貫したポリシーがあります。
「私は一番に、地元の人たちの暮らしを楽しくしようと思っています。商店街の皆さんが楽しんでいれば、そこに人が集まると思います。まずは地域の皆さんに楽しんでいただく。そういった姿は拡散されますし、地元の人たちが良いと思ったところは、違う地域から来た人に『多治見に来たらここにいかなきゃ』と紹介したくなります。その連鎖が必要です」
次の5年後、10年後、小口さんは多治見の街の未来をどのように描いているのでしょうか。
「また次の世代の新しいプレイヤーが出てきて、ますます街が活気づいているといいですね。今実際そういう子たちが増えている。私はもちろんここに住んで活動していきますが、たくさんの人たちと一緒に多治見市を楽しくしていきたいです」