OCEANS

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トピック⑤:オバさんの逆襲、中年の希望


なんと言ってもリスナーたちを魅了するのが、スーさんと堀井さんのトークと、そこから滲み出る2人の人柄。同年代のリスナーは2人に共感を覚え、若い世代のリスナーは2人に希望を見出しているようにも思えます。そんな2人を一番近くで見ている吉田さんは、スーさんと堀井さんについてこう話します。

「価値観は全く違うのに、仕事に対する向き合い方や姿勢をお互いにリスペクトし合っているのをひしひしと感じます。2人は2013〜2014年にオンエアされた『ザ・トップ5』シーズン3(TBSラジオ)で初タッグを組みますが、その時は今のように馬が合っていたかと言うとそうではないと思うんです。それが『生活は踊る』で共演されて年月を経るごとに、お互いの面白さに気づいていったのではないか、と。

もちろん2人とも尋常じゃなく面白いですが、本当に「?」な発想をするのは堀井さんなんですよ(笑)。リスナーのみなさんはお気づきかと思いますが、局を退社されて自由に羽ばたいている堀井さんは一層面白くなっていますよね。そんな堀井さんの魅力を引き出すスーさんも、やはりプロデューサー的な能力に長けている。そんな2人を見ていると、お互いが作用し合って魅力を引き出し合っているように思えます」



『オバサン』こぼれ話②|吉田さんの神回は……?
リスナーたちから神回と称されることが多いのは、ep.30の「〝アツアツあんかけ〟に気をつけろ!」の回。総合格闘技を情熱たっぷりに語るスーさんに、率直な質問をぶつける堀井さん。次第にヒートアップし軽い口げんかのような状況に発展していくという、ある意味スリリングな回ですが、真っ直ぐに向き合う2人の姿に心を打たれる人も多かったはず。そこで気になるのが、2人のトークを特等席で見聞きしている吉田さんの神回です。「う〜ん、どれも好きなので難しいですが、僕の神回はEp.46の『私の妄想〜リアルに好きな食べ物を添えて』の回です。リスナーの妄想話が炸裂する回ですが、オダギリジョーさんとの妄想カップル話にはお腹を抱えて笑いました。Podcastは過去のエピソードも聴けるので、ぜひチェックしてみてください(笑)」


トピック⑥:リスナー、スポンサー、パーソナリティ三方良しの企画

企業やメディアとの協奏が続々と決まっている『オバサン』。スポンサーとなる企業やメディアの担当者たちの多くが互助会員だから、番組でリスナーに提供されるプレゼントは、「この商品いいから、みなさんも使ってみて」といった「お裾分け」のような空気が漂っています。こうしたスポンサーとリスナーの距離感は、『オバサン』ならではとも言えます。

「元々TBSラジオでは、地上波番組とPodcast番組のセットで広告販売していて、Podcast番組のみのセールスはやっていませんでした。『オバサン』の人気もあってそれが次第に許されるようになったのですが、局員としてありがたいのは、パーソナリティの2人がスポンサーの重要性を番組内でも語ってくれること。というのも、スポンサーがいなければ出演フィーやスタジオ代なども払えないので、僕たちは番組を作れません。それを包み隠さずに2人は語りますし、スポンサーコーナーもリスナーが参加したいと思える企画を一緒に考えてくれます。

電子機器メーカーのLenovoさんがスポンサーになってくださった時は、『Lenovoさんのパソコンを使ってやりたいこと』というリスナーの夢を応援するようなプレゼント企画を行ったんですが、300通以上の応募をいただきました。しかもみなさん、情熱たっぷりの文章を綴ってくださっていた。それに感銘を受けて、スーさんと堀井さんは自腹でパソコンを購入して、プレゼント数を増やすほど盛り上がった企画となりました。このように、スポンサー、リスナー、パーソナリティ全員で番組を楽しむ。もちろん、僕たちスタッフ陣も。これは、とてもいい循環だなぁと感じています」
 


『オバサン』がきっかけとなり、今では局でPodcast専門番組を制作するように。その立役者でもある吉田さんは、これからの音声メディアの広がりについて、こんな期待を寄せます。

「今、リスナーもパーソナリティになれる時代となりました。もちろん制作する側からしたら脅威ではありますが、さまざまな垣根を超えてラジオやPodcastなどの音声コンテンツが愛されるのは業界にとってもいいこと。僕としては専門番組をもっと制作して、リスナーの幅を広げていきたいと思っています。

今一番作りたいのは、『レバニラ食べたい』という、レバニラをひたすら食べるだけの番組。今のところ誰からも理解を得られていませんが(笑)、スポンサー、リスナー、パーソナリティのみなさんの力を借りて、実現できるように頑張りたいと思います」



大崎あゆみ=写真 船橋麻貴=文
記事提供:FUTURE IS NOW

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