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抜け毛を減らすためにやるべきこと


 
――では、頭皮のバリア機能を高めるためにどんなことをすればいいでしょう。

まず、気温が低くなると身体が冷え、血行不良を起こしてしまいます。そうなると、頭皮に栄養が行きわたらなくなる。そのため、しっかり湯船に浸かって身体を温めてください。

ここで注意が必要なのは、シャワーの温度です。寒いと、ついついシャワーの温度を高くしてしまいますよね。ただ、頭皮の皮脂を適度に落としてくれる温度が38~40℃と言われています。41℃よりも熱めのお湯だと皮脂を落としすぎてしまい、バリア機能が弱まってしまうんです。

さらに、気を付けたいのが朝シャン。熱いお湯とシャンプーで皮脂を洗い流して、そのまま外出すると紫外線のダメージを直接受けてしまうので、朝は38~40℃のお湯で流すだけにしておきましょう。

また、睡眠時に髪の毛は成長ホルモンで成長するので、それに備えて、夜にシャンプーするのがおすすめ。そして、お風呂上がりは顔だけでなく頭皮用の美容液やローションで保湿することも忘れずに。

――紫外線対策だと、他にどんなことができますか。

スタイリング剤にはUVケア効果のあるタイプもあるので、それを使うのも有効です。あとは頭皮にも使えるUVスプレー、最近では男性も使う人が増えましたが、日傘も紫外線対策には有効ですね。

帽子も紫外線を防ぐことができますが、蒸れてしまい、かえって頭皮にダメージを与えることになるので、長時間の着用は避けるようにしましょう。

――食事で気を付けるべきことがあれば教えてください。

髪の三大栄養素というものがあって、それが「タンパク質」「ビタミン群」「ミネラル」の3つです。

特に、髪の8、9割はタンパク質なので、これらが不足すると髪がやせ細ってしまいます。おすすめの食材は大豆です。大豆に含まれるイソフラボンは、抜け毛の原因物質である活性酵素を減らす働きがあります。

今の時季は、秋の味覚であるキノコ類やサンマなどの魚、ミネラルである亜鉛をたくさん含んだ牡蠣などもありますので、旬の味を楽しみながら取り入れてみてください。

あとは、油ものを食べすぎず、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

――最後に30〜40代だからこそ、気を付けるべきポイントはありますか。

男性の髪の毛の太さ、ハリ・コシのピークは20代前半です。年を重ねれば、その分、髪は退化していきます。だからこそ、30代・40代のヘアケアは欠かせません。

しかもその世代は仕事が忙しく、責任のある仕事も多くなりますよね。そんなときにかかるストレスは自律神経を乱して、血行不良をもたらしてしまいます。

先ほどもお伝えしましたが、血行不良は薄毛・細毛の一因です。適度に身体を動かして、血行を良くしたり、自分なりのストレス解消法を実践したりすると良いと思います。

 ◇

通常の2~3倍も抜け毛が増えるこの時季。正しいヘアケアや寒さによる血行不良を避ける、食事を見直すなどして、バリア機能を高めると同時に、強い髪を育てていこう。


アントレース・冴島友貴=取材・文

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