高校卒業後は神戸の大学に進学、管理栄養士の勉強を始める。
「食というのはどんな人にも一生ついて回るものなので、それに関する知識を覚えておけば将来役に立つかなと。あと、実家でお祖母ちゃんが作ってくれるナスの揚げ浸しがめっちゃ美味しくて、その印象も強かったと思います」。
管理栄養士を目指すきっかけにもなった一皿。
大学時代は「健康にもいいし、痩せたかったから」という理由で配送会社のアルバイトを続けた。
「朝6時に仕分け作業が始まって、その後はドライバーさんが運転する車の助手席に乗って配達のアシストをするんです。エレベーターがない団地だと、ドライバーさんと一緒に5階まで階段ダッシュとか普通。実際、めっちゃ痩せました」。
大学2年生のときは「野菜を食べようプロジェクト」という学生公募に提出した企画が選出され、神戸三宮駅で1日に必要な野菜の量をブーケに見立てて展示、解説を行う。
野菜をたくさん摂ることの意識付けを促した。
大学卒業後は上京し、チーズや乳製品などを扱う企業に入社。食品メーカーに対して原料のチーズを提案する業務を担当した。
「エムスリーソリューションズに転職したのは昨年4月。医療DXの営業ということで食とは直接の関係はなくなりますが、医療現場に貢献できるかなと思ったんです」。
ちなみに、従来のオンプレミス型電子カルテは院内にサーバを置いて、そこに患者のデータを蓄積するスタイル。一方、エムスリーソリューションズが販売するのはインターネット回線を通じてサーバーに保存されたデータを利用する最先端のクラウド型電子カルテだ。
実際のモニター画面のサンプル。
「この『エムスリーデジカル』は災害に強いのも特徴。数年前に静岡県で起きた大雨災害のときも、導入されたクリニックが、地域のクリニックの中で復旧がいちばん早かったんです。クラウド型電子カルテではトップランナーとなっています」。
クリニックを訪問する際は診療科や電子カルテを替えたい理由などを事前にリサーチし、準備を万全にしておく。さらに、医師によって診療などのスタイルも異なるので、瞬時に見抜いて説明方法も変えたりするそうだ。
「通常は1時間程度ですが、時にはスタッフさんたちからの質問にも答えて3時間ぐらいかかることもあります。電子カルテは先生だけが使うものじゃないので、そういうやりとりは大歓迎なんです」。
最初は「持ち帰ります」が多かったが、今はその場で回答できる。
「現在は埼玉と栃木にある100以上の施設のサポートや、新規で開業される先生や電子カルテの導入、入替を検討している施設への提案営業などを行っています。
商談の際は23.8インチの大きなモニターを担いで行くので、『よく来てくれたね』と労いの言葉をかけていただくことも多いですね」。
電子カルテの営業は女性がまだまだ少ないという。
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