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年代別オールスターを徹底解説!

山口 では、それぞれ解説していきたいと思います。

森田 お願いします。

山口 赤ラベルの一足は、’30年〜’50年代に展開していたモノと推測されます。細かいところですが、ラベルに「model」と書かれていたものが、’50年代の後期になると無くなるんです。その点からこちらは’50年代前半なのではないかと推測されます。



森田 ということは、このモデルはチャックテイラーではないということ? 

山口 実はですね、もともとチャックテイラーとオールスターは同じもの。まずはこちらのアンクルパッチをご覧下さい。チャックテイラーの文字が記載されていますよね。



森田 よく見たら確かに。

山口 彼が履いたことでオールスターの名は格段に広がったわけですが、その功績を讃える意味で彼の名前を記念に入れたのが1946年になります。なので、こちらはチャックテイラーであり、オールスターでもあるわけです。



森田
 当時はアンクルパッチも布なんですね。

山口 そうなんです。で、「Chuck Taylor」の文字が星マークの中に入っている年代が、’53年〜’58年頃といわれています。なので、だいたいその年代にリリースされたモノではないかと考えられるわけですね。

森田 なるほど。よく見たら2番目の方にも入ってますよね。



山口 アンクルパッチは同じです。ただ、ヒールラベルに斜めの三ツ星が入っているため、こちらは’50年代後半から’62年あたりまでに作られたモデルと推測できます。なので、赤ラベルの方が古いと考えられるのです。



山口 そして、3足目になると星の外側にチャックテイラーの文字が入り、かつレジスターマークも入っています。レジスターマークが付いたのが1969年ですから、このモデルはそれ以降に作られたのではないかと考えられます。



山口 また、ヒールラベルの星が横並びになったのが’60年代からになりますので、2足目よりは3足目の方が新しいと推測されるわけですね。



森田 俺はもうこの年代のやつがいちばん好きというか、馴染みがありますね。

山口 多くの方がそういう認識なのではないかと思います。4足目もそうですね。



山口 こちらもアンクルパッチにレジスターマークが付いています。で、このあたりの足首部分はもう現行品とほとんど変わらない仕様になっていますが、ヒールラベルに関しては一ツ星になっています。

これは’70年〜’75年ぐらいまで採用されていましたので、3足目よりは新しいということになります。



森田 なるほど。



山口 で、最後。こちらはアンクルパッチは変わりませんが、ヒールラベルは、ホワイト仕様になっています。これは1976年に採用されたモノですね。



森田 今はもうこの仕様になってますもんね。

山口 4足目との違いはサイドステッチ。1977年以降、ちょっと角ばっているんです。



森田 だからか。僕が持っている赤のオールスターは’77年以降で、紫のやつがその前ってことなんっすね。



山口 そういうことです。最後に、森田さんに見ていただきたい一足があるんですが。

森田 はいはい、なんでしょう。



山口
 実はこちら、今度新作で出るコンバースのオールスターになります。どうぞ、手に取ってご覧ください。

森田 めっちゃ格好いい! やっぱ、黒ラベルが古着好きの興味をそそりますよね。



山口 コンバースのオールスターのローカットが1957年に始めて発売されたんですね。

森田 それまではハイカットしかなかったと?

山口 そうなんです。当時のローカットを再現したのがこのモデルです。

森田 それで、ここのステッチや当て布も再現されている。いいっすね。このステッチがあるとないとではやっぱり違うんですよね。人とすれ違う時にやっぱりステッチ、見ちゃいますから。

山口 次回は、ほかの日本企画のモデルについて紹介させていただけたらと思います。


見事にヴィンテージ オールスターの年代を言い当てた森田さん。彼のコンバース愛は本物である。

これらのアーカイブから、オールスターがたどってきた道のりの長さや偉大さを感じとってもらえたのではないだろうか。

佐藤ゆたか=撮影 菊地 亮=取材・文

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