多くのトップアスリートのトレーナーを務めてきた株式会社R-body代表取締役の鈴木岳.さん(撮影:今井康一)
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。 人生後半を充実したものにするのに大事なのは、“健康寿命をのばすこと”。そして、“より動けるカラダを作ること”がカギを握る。
健康にまつわる、ありとあらゆる情報や商品が飛び交う中、「大切なのは、カラダの仕組みと本質を捉えることです」と語るのは、オリンピック選手団のトレーナーを、夏季冬季合わせて7回務めている鈴木岳.さんだ。
多くのトップアスリートたちをサポートしてきた鈴木さんに、人生100年時代の私たちのカラダの作り方について伺った。
“肉体再生請負人”といわれる理由
「カラダは何歳からでも再生できるし、自分が思い描く通りに動かせるようになります」
鈴木岳.さんは、スポーツ界では知らない人はほとんどいないであろう、有名トレーナーだ。
水泳の北島康介選手、スキーモーグルの里谷多英選手、上村愛子選手、元プロテニスプレイヤー伊達公子さんなど、これまで、数多くのトップアスリートたちのカラダを再生させてきた。そんな経歴から、彼は“肉体再生請負人”とも呼ばれている。
ワシントン州立大学を卒業後に、アメリカでは医療従事者としても認められる、全米公認アスレティックトレーナー(ATC)の資格を取得。帰国後、1998年より全日本スキー連盟専属トレーナーに。その後は、オリンピックにおいても日本の選手団のトレーナーを務めるほか、自らが代表を務める株式会社 R-body では、一般の人たちに最新の科学的データや知見に基づいたコンディショニングサービスを提供している。
アスリートに対し、怪我からの再生はもちろん、怪我をしないカラダ作りと、その競技において高いパフォーマンスが出せることにも焦点を当ててサポートしているという鈴木さん。
「里谷選手や上村選手とはもう20年以上、彼女たちが20歳頃からの長い付き合いです。何度も怪我や痛みを乗り越えて、オリンピックに挑む過程を並走させていただきました。北島選手の場合は、怪我や負傷がきっかけではなく、より高いパフォーマンスが出せるカラダ作りがしたいとお話をいただき、サポートしてきました」
そもそも人はなぜ怪我をしたり、カラダを痛めたりするのか。鈴木さんは「間違った姿勢で間違った動き方をしていることが、その原因になっていることが多い」と語る。
典型的なのは、「昨日、筋トレしたから、肩が痛い」とか「最近、歩くたびに膝が痛くてね」と語るような人。「健康のために運動してカラダを痛めているのでは、本末転倒ではないでしょうか」という鈴木さんの指摘に、耳が痛い人も多いのではないか。
2/4