かの地で今日もペンギンは生きている
写真集の最後には岡田さんのあとがきがあり、文章中には「ペンギンは、今日もペンギン」という魅力的な一文が綴られている。
「一冊を通して見られる光景はどれも特別なものではなくて、僕らの日常の先に、地球の裏側に広がっているもの。ペンギンたちはそこで今日も生きていて、その様子を少しでも想像できると、物事の見え方が少し変わるように思うんです。
僕も時間に追われたときなどには、この一冊を開きます。クヨクヨしてられないな、もっと大らかにならないとな、という感じに、ざわざわしていた心が穏やかになっていくんですよね」。
都心での暮らしと写真集に見られる光景とは地続きに繋がる。今日もペンギンたちは、よちよち歩き、波に乗り、綺麗な夕暮れが1日の終わりを告げる美しい風景の中を、たくましく生きている。
THE SEAWARD TRIPが一冊の本となって発売中! 1980円。イカロス出版
2012年から続く本連載が一冊の本『海と暮らす〜SEAWARD TRIP』となった。
本誌掲載の記事から20人のインタビューと20本のコラムを厳選して綴じた構成で、「暮らしを豊かにする金言」がたっぷりと詰まり、これまで以上に海との距離を縮めてくれるものに。
まさに海を身近に感じる今の季節にこそ手にしたい一冊なのだ。