「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:総合商社・42歳「生成系AIの話題が盛んですが、わが社でもDX推進のためにデジタル系の専門分野を学んだ若手人材が多く採用されています。
そういった専門家でなくともどんどんAIを活用している若手を活かすには、これまでのマネジメントスタイルでは通用しない、と実感しているものの、なかなか難しい現状があります。どう対応すればよいのか、アドバイスをください」。
アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
今までは「見立てる」ことが中心だった
ChatGPTなどの生成系のAIが出現するまでは、AIは識別系が主流でした。識別系というのは、人間の認識や理解の部分を人工的に再現したものです。
例えば、画像や音声、文章などの認識・理解の再現です。マネジメント場面だと、「このメンバーの性格・能力はどのようなものなのか」「今のモチベーションの状態はどうか」「うちの組織はどういう状態か」を認識して理解するということです。
人事用語だと「アセスメント(見立てる)」に用いられていたわけです。
古くからある原始的な例は適性検査です。これをAIとは呼ばないでしょうが、人の代わりにメンバーの性格や能力を見立ててくれる点で、適性検査は長年重宝されてきました。
人間よりも細かく客観的に見立てることができる
適性検査では、紙やWEBで、「物事はやりきらないと気がすまない」などの質問に「あてはまる/あてはまらない」と回答したデータを使ってアセスメントをしていました。
しかし近年のAIの進化により、回答データだけでなく、その人の動画データを取って、声の高低やスピード・表情筋の動き・視線など、あらゆるデータからその人の状態を見立てることができるようになりました。
ふつうの人では、AIほどに細かく人を見立てることはできないですし、つい先入観で人を見てしまうこともあるので、より客観的に人や組織を見立てることができるようになってきました。
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