「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:IT系企業・39歳「私の職場では、夏場に向けオフィスカジュアルが推奨されています。
しかし、やたら肌の露出が多い女性や短パンサンダルの男性など、さすがに職場でこれは、と思ってしまうような服装の若手がいます。
本人がさりげなく気づくような注意の仕方はありませんか?」。
アドバイスしてくれるのは……そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
ふつうに注意してはどうでしょうか
まず、今回の質問については「本人がさりげなく気づく」ことがどうして必要なのかがややわかりません。
会社は自己表現の場とかではなく仕事をする場なので、メンバーの服装が仕事に対してマイナスの影響を与える可能性があれば、「そんな服装はしてきてはいけない」と、ふつうに注意・指導すればよいのではないでしょうか。
日本人はネガティブフィードバック(要は「ダメ出し」)するのが苦手というか嫌いな人が多いので、それから逃げているのかもしれません。
でも、ネガティブフィードバックはマネージャーや先輩社員の重要な役割のひとつです。嫌でもやらなくてはいけません。直言してしまいましょう。
ルールが曖昧だと注意しにくいのは確か
とは言っても、確かにドレスコードのような曖昧でセンシティブなものについて、「言いにくい」というのはわかります。
完全にラインを踏み外しているようなエキセントリックな服装であれば注意しやすいですが、おそらくその若手の服装は、微妙な合否ライン上にあるのでしょうね。
また、そんな意図はなくとも、特に異性のファッションについて何かを言うこと自体がセクハラ的な色合いを帯びる可能性もあります。
ルールが曖昧な環境で注意をすると、その場の思いつき、恣意的な指示だと思われてしまうこともあるでしょう。だから「言いにくい」のはある程度は仕方がないようにも思えます。
本当にドレスコードは明確化できないのか
しかし、問いたいのは、本当にドレスコードは明確化、言語化できないのかということです。私の経験から申し上げますと「意外とそうでもない」です。
以前、私は不動産会社の人事責任者をしていたことがあるのですが、入社後、最初にした仕事はこのドレスコードの明確化でした。
社長から「最近、服装が乱れているような気がするので、ルールを明確化して統制してほしい」とオーダーを受けました。
「何がどう乱れているのか」について明言はありませんでしたが、社長としては「ともかく今の状態はおかしい」「成果にも影響が出るのではないかと思う」ということでした。それは確信に満ちていました。
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