「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:専門商社・42歳「わが社は化学系の専門商社で、知名度の低さが新卒採用のネックになっていました。
次年度から本格的なインターンシップの受け入れを検討することとなり、新規事業開発を行っている私の部署に白羽の矢が立ちました。
学生が魅力を感じるインターンシップにするためのコツや注意点などがあれば教えてください」。
アドバイスしてくれるのは……そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
インターンシップが採用につながった
これまで日本でのインターンシップは「あくまでキャリア教育の一環であり、企業の採用に直結させてはならない」ということでした。
そのため、外資系企業や新進企業などの一部以外は採用直結型のインターンは行っていませんでした。ところが、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の合意による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が令和4年に改正されたことで、一定の要件を満たせば、インターンシップで取得した学生の情報を採用活動に使用することが可能となりました。
このため、採用を強く意識したインターンシップが今後どんどん増えていくと思われます。
だからと言って参戦する必要はない
ですから、ぜひ皆さんも採用目的でのインターンシップをやりましょう!……とは思いません。
私は知名度の低い会社でインターンシップに力を入れることはあまりお勧めしません。なぜなら、これから日系大手企業などの人気企業が大挙してインターンシップ戦線に参加してくるからです。こんなレッドオーシャンなところで勝負する必要はありません。
これまでも夏のインターンシップなどは、どれだけ良いコンテンツを作って学生に対応しても、結局、本選考に結びつかないと嘆く企業ばかりでした。それがさらにひどくなるということです。
人気企業とがっぷり四つでやる気がなければ、やめたほうが無難です。
早期に動く学生は「就活意識高い系」
しかも、夏のインターンシップなどで早期に動く学生は就職活動意識の高い人ばかりです。
そうでなければまだ入学して2年しか経っていない状況で、インターンシップにいこうなんて思いません。すごく偉いと思いますが、そういう意識の高い学生は「より良い会社に行きたい」と上昇志向が強く、大企業や人気企業に入りたいからこそ早期に活動しているわけですので、余計状況は不利です。
せっかく面白いコンテンツを用意して、学生の役に立つインターンシップを実施しても、「勉強になりました! ありがとうございました!」と感謝だけされて、彼らは大企業の本選考に臨むだけです(学生へのそういう貢献は尊いことですが)。
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