「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:商社・42歳「弊社では派遣社員の方々に、アシスタント業務や庶務業務をお願いしています。
とても貴重な戦力で助かっているのですが、さらにチームの一体感を強め、モチベーション高く仕事をしてもらいたいと考えています。
とはいえ、派遣先と派遣元でそれぞれ役割がある中で、私ができることはどんなことがあるでしょうか?」
アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
マネジメントの線引きに悩む
私もこれまで何人もの派遣社員の方々と一緒に働いてきました。総務部で会社受付の派遣社員のみなさんを実際にマネジメントさせていただいたこともあります。
ご相談者がおっしゃるように、雇用形態が違っていても、同じ目標を目指して仕事をしている仲間には変わりありません。
しかし、雇用形態はそれぞれに特徴があり、その雇用形態を選んでいる人にもなんらかの意図や背景があるわけですから、考慮しないわけにはいきませんので、私も「どこまでマネジメントしていいのだろうか」「あまり関わってほしくないのではないか」など線引きに悩んだものです。
雇用契約は派遣元、業務指示は派遣先
派遣社員のマネジメントについては、労働者派遣法によって規定されています。派遣社員は、雇用契約は派遣元(人材派遣会社)と雇用契約を結んでいるので、雇用主としての責任は派遣元にあります。
例えば、給与の支給、有給休暇の付与、定期健康診断の実施などは派遣元がやるべきことです。一方、日々の具体的な業務内容を指示したり、研修・指導したりするのは派遣先側の責任です。
この中には派遣社員の勤怠管理(始業・終業・休憩時間の記録)や健康管理、快適な労働環境整備、ハラスメントなどへの対応なども入ります。当然ですが、まずはこれらの義務をきちんと果たしましょう。
研修を省いていませんか
さて、その上で、さらに派遣社員のモチベーションを高めるためには何ができるでしょうか。上述のように、派遣社員は日々のマネジメントについてはほとんど一般社員と変わりません。
ところが一般社員には当然のようにすることを、派遣社員に対してはしないという、疎外感を抱かせてしまうような職場が残念ながら多いようです。
例えば、入社時や仕事アサイン時の研修などを省いてしまうのはよくあることです。
しかし、業務を離れた研修の場は単に知識やスキルを身につけるというだけでなく、ゆっくり時間を取ってコミュニケーションを取ることで職場に対するコミットメントを高める効果もあるはずです。
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