面談を省いていませんか
他にもあります。近年では一般社員に対しては「1on1ミーティング」などと言って、定期的にゆっくり時間を取って、日々の業務連絡以外のテーマ(職場環境や能力開発、キャリアなど)で話し合う時間を取る会社が増えていますが、派遣社員には遠慮してしまうのか実施していない会社もあります。
一般社員には人事評価面談など他にもいろいろなコミュニケーションの機会がありますが、それも派遣社員にはありません。ですから、派遣社員の方にこそ定期的な「1on1ミーティング」はすべきです。
そして派遣社員は基本的に時間給で働いていますので、もちろんそのミーティングは「労働時間」に入れなければなりません。
苦情が言える仕組みを作る
このように、「一般社員にふつうにしているモチベーションアップ施策を、派遣社員にも遠慮せずにふつうに実施する」ことは重要ではないかと思います。
さらに、派遣社員「だからこそ」プラスで対処をしてあげるべきこともあります。それは立場上なかなか苦情を言えないということです。
日本人はただでさえ文句や不満を伝えるのが苦手ですが、派遣社員は、それを言うことでいつ契約を切られてしまうかわからないのでより、言いたいこともぐっとこらえてしまうのではないでしょうか。
ですから、ハラスメント系はもとより、仕事上の不満や改善要望などを吸い上げる仕組みを作りましょう。
指揮命令者と苦情の受付担当者は分ける
上述の「1on1ミーティング」は指揮命令者が行うのですが、そこで苦情を言うのは難しいと思われます。と言うのも派遣社員に限ることではないですが、仕事上の悩みの多くは上司との人間関係だったりするからです。
そこで、苦情の受付担当者は別に用意するほうがよいと思います。気軽に声をかけやすい先輩的な社員を「教育担当」などの名称でアテンドして、日々の指導や悩み相談とともに、苦情受付なども明確に役割としておくのです。
また、派遣元にも苦情受付担当はいますから、彼らと定期的にミーティングを取って連携することで、派遣先には入らない派遣社員の苦情や悩みをウォッチしておくことも重要です。
契約内容を正確に把握しておく
最後に、重要で、しかし意外にきちんとなされていないのが「派遣契約の内容を確認しておくこと」です。派遣社員は契約で定められた範囲の仕事を行います。
ある仕事がしたくないから、仕事が限定されている派遣社員でいる人も多いです。ですから、契約内容と実際の業務が異なれば、契約社員は不満を募らせることでしょう。
例えば電話受付のような一般社員が通常業務の範囲内で行う仕事でも、契約範囲外であればさせてはいけません(させるなら契約内容に入れるべきです)。
「成長のために」とか「疎外感がないように」とか、良かれと思ってしたことが、「契約違反」だと思われないように気をつけてください!