立川志らく●1963年、東京都生まれ。立川談志に入門後、1995年に真打昇進。古典落語のみならず“シネマ落語”などのフィールドを開拓したことでも知られる。
▶︎すべての写真を見る 和装は、オーシャンズ世代にはそれほど馴染みがないかもしれないが、憧れはある。そこで、落語界の重鎮でありご意見番、立川志らく師匠に“和装入門”について伺った。
「着物は、夏に着る単衣(ひとえ)の素材でも、絽(ろ)や紗(しゃ)というように種類があります。それを時季とシーンで使い分けるのですが、今はワイアンドサンズのように着やすいブランドがありますから、それほどとらわれる必要はありません。
私もメディアに出る際は、紋の入った正統なものよりも、軽快に見えるものを着ています。何より、まずはとっつきやすいコットンの浴衣から入るのがいいかもしれません」。
綿麻混紡素材に手作業で“ちぢみ加工”を施した浴衣は、深みのあるグレーカラーが都会的。レザーのバッグを持ってもサマになる。浴衣6万500円、帯3万3000円、団扇2420円、/すべてワイアンドサンズ、バッグ1万6500円/エンダースキーマー(すべてワイアンドサンズ 神田 03-5294-7521)
確かに、あれこれ誂えるよりもハードルは低そうだ。
帯や他のアイテムの色選びについては、「スーツと同様で、自分のセンス(笑)。迷うならば、定番色で、同系のもので揃えればいい」とのこと。
江戸時代の浮世絵師、歌川国芳の絵をフィーチャーした浴衣は、さらっとした綿麻素材。梨地織りの淡い発色の角帯と好相性だ。浴衣5万5000円、帯4万9500円、扇子1万2100円/すべてワイアンドサンズ(ワイアンドサンズ 神田 03-5294-7521)
ただ、着方には不文律がある。「現代人は、帯の位置が高すぎますね。腰骨に合わせる意識で、お腹が多少出るぐらいが粋。そして、裾は地面に擦るぐらい。本来江戸っ子は、慌てて走ったりはしないから長めです」。
なるほど、やはり和装は奥が深い。これから来る夏本番、まずは浴衣で「和の色」デビューするのも良さそうだ。