▶︎すべての写真を見る 夏のカジュアルトップス界を“襟付き”が席巻中。長らく君臨していたTシャツを脅かす勢いで人気が高まっているのだ。
なぜ? 探ってみたら、確かに欲しくなってきた。
現在の“ポロシャツ”ブームはアメリカのストリート由来
ファッションシーンにも多大な影響を与えたビースティ・ボーイズ。中央のMCAと右のマイクDでは、着こなし方が違う点が面白い。Photo by Getty Images
ポロシャツの出自は、1933年、テニスプレーヤーのルネ・ラコステによって生まれたスポーツウェア。だが、日本では、“おじさんの休日服”と揶揄される不憫な時代もあった。
しかし今またファッションシーンに蘇っている。
OUTKASTの都会的な着こなし。Photo by Getty Images
「誕生から90年、ほとんど変わらないポロシャツですが、当時は先端の技術を注いだコットンピケのいわば“テックアイテム”。流行とともに時代にアジャストしてきました」と話すのは、ラコステほか、気鋭ブランドも扱うPRオフィス「4K(シック)」のプランナーで、カルチャーにも通じる渡辺高さん(49歳)。
確かに70〜80年代には、モッズやパンクといった英国カルチャーの文脈からファッションシーンに取り込まれた歴史もある。
ブリティッシュカルチャーの影響を多分に受けたリアム・ギャラガーが着るのは、やはりフレッドペリー。Photo by Julian Broad/Contour by Getty Images
「現在のブームは、アメリカのストリート由来だと感じます。90年代のラッパーやスケーターたちが当時、ゆるく着ていたスタイルが再注目。
当時はポロ ラルフ ローレンなどが富の象徴とされており、『ビッグポロ』というビッグサイズラインがあったのもポロシャツが好まれた理由」と、ストリートカルチャーとの結びつきを指摘。
フェラーリやゴールドウォッチとともに、ゆるいポロシャツを着こなすLL・クール・Jは、俳優業でも成功して富を築いた。Photo by Getty Images
デカいMETHOD MANが、デカく着るのが クール。Photo by Getty Images
現在の90年代ヴィンテージウェアの高騰なども、こうした流れだという。実際、近年のカジュアルポロにビッグシルエットが多いのも納得だ。
昨年、惜しまれつつも他界したクーリオは、爽やかなボーダーポロのトップボタンを留めて、アクセサリーとともに着用していた。Photo by Getty Images
「本来はタックインするためのウェア。ビッグシルエットを選び、ワイドパンツにインするのがオススメです」と着こなし術も伝授。
現代の感覚で着こなすポロは、新鮮に感じられるはず。
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