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2023.08.02

からだ

「爪が割れやすい」「巻き爪になりやすい」は糖尿病の疑いアリ。爪が発する病気のSOSとは

©️pedro emanuel pereira/iStock

©️pedro emanuel pereira/iStock


爪には、さまざまな病気のサインがあらわれることをご存知だろうか。

「爪は、体内の状態と深く関連しています。心臓や肺、腎臓、肝臓などの病気のサインとして出てくることもあるので、見逃さないことが大切です」と教えてくれたのは、皮膚科医の中山由美先生だ。
話を聞いたのはこの人!
中山由美●ゆみ皮膚科院長。皮膚科専門医として、アレルギーから脱毛症といった免疫疾患まで皮膚に起こるさまざまなトラブルを診断・治療している。

中山由美●医療法人社団極美会 ゆみ皮膚科院長。皮膚科専門医として、アレルギーから脱毛症といった免疫疾患まで皮膚に起こるさまざまなトラブルを診断・治療している。

健康な爪はピンク色でツヤがある

――健康な爪とは、どういう状態でしょうか?

指先は全体的に淡いピンク色で、表面は滑らかでツヤのある爪が理想的です。「ケラチン」というタンパク質が透明なプレート状になったのが爪であり、このプレートは薄くても硬く、折れにくいことが大切です。

©️taratata/iStock

©️taratata/iStock


――爪にも、情報が詰まっているんですね

爪はあくまでも皮膚の一部なので、体内の状態と深く関連しています。例えば、水分不足だと肌が乾燥してカサカサするように、爪の場合は折れやすくなることがあります。

そして、爪と、爪の下にある皮膚の状態から病気のサインを受けとることができます。

――皮膚と爪、それぞれのサインを見分けるのは難しそうですね。

はい。ですが、早急な治療が必要となる場合もあるので、どのような爪の変化が病気のサインになるかをある程度知っておくことが大切です。

白・黄・紫は要注意。爪の色が知らせるSOSとは

――爪がピンク色というよりは白色に近いんですが、これはどうでしょうか?

指先が白い場合、貧血、あるいは肝臓や腎臓病の可能性があります。

――白いと、なぜ肝臓や腎臓病のサインになるんですか?

爪がピンク色なのは毛細血管のあらわれで、指先まで十分な血液と酸素が流れ込んでいる証拠です。肝硬変や慢性腎臓病は、皮膚の血流を低下させるため、爪も白くなってしまうのです。

――では逆に、爪の赤みが強いのはどうでしょう?

腎臓病では、爪が赤褐色や紫色になることもあります。腎臓病の方は皮膚が全体的に茶褐色になりやすいためです。

また、腎臓病では皮膚が硬く、肝臓病では皮膚が薄くなります。どちらも血管が破れやすい状態になるため、強くぶつけた記憶がなくとも爪の中で内出血を起こしやすい人は、注意が必要です。

――ほかに気をつけるべき爪の色はありますか。

爪の一部が黄色くなっている場合は、「爪白癬(つめはくせん)」かもしれません。爪のなかに白癬菌という水虫の原因菌がすみついて起こる感染症です。

時間が経つにつれて、黄色い部分が拡がって爪が厚くなっていくのですが、爪自体はもろくてボロボロと崩れ落ちるようになります。痛みやかゆみはないのですが、スリッパやバスマットを介して他人に移してしまうことがあるので、早めの治療をオススメしています。


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