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報酬水準を決めるのは「市場価値」



私は人事コンサルタントとして、たくさん人事制度(評価報酬制度)を作ってきました。その際、多くの会社が賃金水準の指標にしているのは「市場価値」です。

「このレベルの能力を持っている/このレベルの仕事してもらう人を採用するなら、労働市場における報酬相場はいくらか」を考え、自社の報酬テーブルの金額を決めていくわけです。

「この給料では、こんなレベルの人は採用できない」ということなら「それではもう少し報酬を上げよう」となりますし、「この給料でもこのレベルの人材は採用できる」なら「報酬はこのままでよい/もう少し下げても採用できるのでは」となるのです。


人が辞めず、採れるなら給料は変わらない

つまり、大変恐縮ですが、めちゃくちゃ嫌な言い方をすれば、自分の会社で賃上げがない理由は、究極的には「それがみなさんの市場価値だから」ということです。

「その報酬額でも社員が転職をしないから」「人が採れるから」、結果としてその報酬水準になっているのです。

まともな経営者であれば、人手不足をどうするかが最も多い課題であり、いかにして退職を防ぐかを日々考えているはずです。

それなのに「低い人件費に押さえておきたいから、人が辞めても、採れなくても致し方ない」と思うような経営者はいないでしょう(いたとしたら、その事業は早晩うまくいかなくなるでしょう……)。


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