国や気候で、乗りこなす街並みは変わる
年季の入った重厚感ある骨組みや、レンガ造りのレトロ感ある建物は、いかにもNYらしい街並み
では今度はそれを世界に広げてみます。
この写真にチラッと写り込んだイエローキャブや、趣ある建築を見れば、アメリカ東海岸、しかもNYであることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
当然日本とは雰囲気がガラッと変わりますし、都市構造も気候も別物です。すると、乗りこなさなければいけない街の障害物も、全然違うものになってきます。
LAはNYと比べても広大で開放的な街並みが広がっている
対してこちらは西海岸のLAの写真。燦々と照りつける太陽と広大な空、道路沿いに並ぶヤシの木が、いかにもカルフォルニアっぽいなと思った方も多いのではないでしょうか。
こちらはより開放的な雰囲気になっていますが、そういう条件なら、当然日本ともNYとも乗りこなす障害物(街並み)が違ってきます。
ではこれらから何がいえるでしょうか⁉︎
各地域で違う建築を乗りこなしているだけだと思うかもしれませんが、見方を変えると、生まれ育った地域の街並みが、スケートボーダーのスタイルに大きな影響を与えることになると捉えることもできると思いませんか。
地元で育まれたスキルが自らの個性となり、その個性を集約した映像作品を皆で讃えあう。そんな文化が昔から成り立っているのです。
ですので、東京五輪で話題になった岡本碧優選手の滑走後に抱き抱えられたあの一幕などは、根本にそんな文化があるからで、愛好者からみればごく自然、当たり前な行動でもあったのです。
そう考えると、街とスケートボードはとても密接な関係にあるといえるのではないでしょうか。
普段は撮影できない有名な場所だから良い
横浜の赤レンガ倉庫にて。奥の建物で雰囲気がガラッと変わる
普段から多くの人が行き交う新宿のコマ劇場前の広場。明らかにスケートパークとは異なる雰囲気だ。
ただ現在の日本は、多くの人が行き交う公共の場でのスケートボードは大半が禁止されています。
だからこそカメラマンとしては、多くの人が知る場所で、許可を得て行うイベントが、より特別感のある画になって好きなのです。
これは新宿のコマ劇場前の広場と、横浜の赤レンガ倉庫で行われたイベントになりますが、背景に特徴ある街並みや建物が写り込むだけで、与える印象はガラッと変わりますし、私はそれだけで写真に惹き込まれてしまいます。その度に、やっぱりストリートは最高に魅力的だなと思ってしまうのです。
以上がスケートボードを専門的に撮ってきた自分からみた「ストリート感」になります。もちろんストリートで滑走する全ての人が作品作りをしているわけではないですし、いくら魅力的だからといって、どこでも自由に撮影していいだろうというつもりもありません。
5/5