「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:IT関連企業・37歳「弊社では新入社員研修が2週間あり、それを終えたら各部署に配属され、OJT(職場での実践教育)に移行します。その中で、どうも孤立していそうな新入社員がいます。
他の新人はランチを一緒に食べるなど関わろうとする姿勢が見えるのですが、ひとりであまり交わらず淡々と仕事をしている様子です。これも個人の特性やZ世代の特徴、と認めるべきでしょうか?」。
アドバイスしてくれるのは……そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
「ひとりで自由に」が好きなのかも
まず、考えなければならないのは、新入社員が本当に孤立しているのか、その状態に困っているのかどうかです。ひとりでいることが好きな人はいくらでもいるので、新人自ら望んでその状態にある可能性は十分にあります。
それにもかかわらず、「孤立してかわいそうだ」と誰かと一緒にいるように仕向けたとすれば、まさに余計なお世話になってしまうかもしれません。
「孤立」と「自由」は表面的には似ています。新入社員の気持ちを想像だけで勝手に決めつけるのではなく、本人がその状況をどう思っているのかを慎重に確かめるべきでしょう。
間接的に情報を集める
ただし、どストレートに「ひとりでいても寂しくないのか」などと聞くのは野暮というもの。
もし本当は寂しかったとしても、人前でそれを認めるのは辛いでしょうから「いや、特に寂しいとかはありません」と強がる可能性もあり、回答を鵜呑みにはできません。
新入社員とふたりのときに、それとなく「誰といちばんコミュニケーションを取っているの?」とか「いちばん仲のいいのは誰なの?」とか「何か困っていることはない?」とか、さまざまな聞き方で周辺から探り出すような聞き方がよいと思います。
あるいは、最も近しい人に「あの新人は孤立していないか」と観察しておいてもらうのもよいかもしれません。
必要な交流からは逃げさせない
もし、あまり困っていない、むしろひとりのほうがよいという思いが確信できたなら、ひとまずは安心です。拙速に「とにかく誰かと交流させなければ」などとは思わなくてもよいでしょう。
しかし、です。職場なのですから、本人がしたいことだけをさせておくわけにはいきません。大事な人の歓送迎会やチームビルディングのためのワークショップ、勉強になる研修会など、職場環境の向上のために必要な交流さえも避けようとするのは問題です。
そうならないように目を光らせておいて、すべき交流はすべきと、丁寧に理由を説明して納得させながらアドバイスしていく必要があります。
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