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ただ、孤立に悩んでいる場合も多い

しかし、新入社員が孤立しているのは自分の選択ではない場合のほうが実際には多いのではないでしょうか。

Z世代のような若者であっても、個人的な関係性を築きたいというニーズはふつうにあります。彼らはソーシャルネイティブ世代とも言われるように、つながることに対するニーズはむしろ強いくらいです。

もし、いろいろ聞き回った上で、新入社員が孤立に悩んでいるとわかった場合、周囲の社員が積極的に関わりを持とうとするよう仕向けなければなりません。

まずは、新入社員の立場に立って共感し、自然な形でコミュニケーションを図っていくことが重要です。


コミュニケーションの多様化を

ただ、昭和・平成世代の我々のように「飲みニケーション」的な一緒にご飯を食べたり飲んだりするのが苦手な人が多いのも事実です。

そういった場合、コミュニケーションを多様化することが大切です。たとえば、仕事の合間にちょっとしたおしゃべりをする、一緒にプロジェクトの調査をしたり資料を作成したりする、一緒にランチに行く以外の外出プランを提案する、などです。

また、Z世代はネットやSNSを通じたコミュニケーションに慣れ親しんでいます。直接的なコミュニケーションよりも、メールやチャットなどの非同期コミュニケーションを活用するほうが気軽に話しやすいと感じる人もいるかと思います。


相性のよい人と組ませてみる



コミュニケーション方法、つまり、どう交流するか、だけではなく、誰と交流するかも重要です。

得意なコミュニケーション方法であっても、苦手な人、わかり合いにくい人とであれば、やはり交流はしにくいものです。ですので、孤立している新入社員には、まずは交流しやすいようにパーソナリティの相性が合う人をマッチングしてはいかがでしょうか。

特に、同質な「似た性格」の人であれば、相手のことも理解しやすいですし、似たようなことを良しと考えるので、仲良くなりやすいと言えます。

可能なら、入社時の適性検査の結果などを参照しながら、新入社員に相性の合う人を探して、メンターにしたり、チームを組ませたりしてみてはいかがでしょうか。

相性のよい人とであれば、どんな方法でもコミュニケーションはしやすいというものです。方法と相性、このふたつの側面から、対策を検討してみてください。

グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこ=イラスト・監修
曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。www.graphic-facilitation.jp


曽和利光=文

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