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⑤『インフォーマ』

全10話の観了時間=約4時間7分

原作:『インフォーマ』 沖田臥竜(サイゾー文芸部 刊)

原作:『インフォーマ』 沖田臥竜(サイゾー文芸部 刊)


今や日本を代表する映画監督の1人、藤井道人監督が総監督を務めており、2023年1月期に関西テレビの深夜帯で放送されていたテレビドラマだ。

ネットフリックスでは、国内限定で1週間先行配信がされていた経緯もある。

原作は沖田臥竜の同名小説であり、情報屋と雑誌記者が謎の連続殺人事件を追うクライムサスペンス。

映像においてはドラマと言うより映画さながらの重厚感があり、それが物語のテーマとバチっとハマって非常に濃厚な作品に仕上がっている。藤井監督ファンはもちろん、映画好きをうならせることになった。

一部の俳優が感想をSNSで発信していたことでも話題を読んだ。

主人公の桐谷健太さん。原作:『インフォーマ』 沖田臥竜(サイゾー文芸部 刊)

主人公の桐谷健太さん。原作:『インフォーマ』 沖田臥竜(サイゾー文芸部 刊)


主人公は、連続ドラマ単独初主演となる桐谷健太が演じる木原慶次郎。

いわゆるヤクザの情報屋で、佐野玲於(GENERATIONS)が演じる週刊誌の記者・三島寛治をポンコツと呼んで振り回しながら、謎の集団として描かれている森田剛による冴木亮平との因縁を絡めつつ、とある陰謀へ立ち向かっていくストーリーだ。

どのシーンも重みがあって惹き込まれるのだが、画像越しにパッションが伝わってくるのが桐谷健太の熱演だ。

ドスの効いた関西弁は『インフォーマ』を観終わる頃にはマネしたくなるほどクセになる。話もテンポも良く次々に物語が進行してくので、全10話をあっという間に観終わってしまうだろう。

個人的に印象深かったのが第6話「ポンコツ1号、死す」で、ハラハラドキドキする展開の中に、切なさや言いようのないやるせなさを感じさせられた。終盤へ傾れ込んでいく展開は息をつく間もない流れで、ラストのラストまで見逃せない。

拳を握りしめたり、泣いたり、熱い気分になったり、憤ったり。何かに浸りたい気分のときにもピッタリだろう。

眠れない夜に、『インフォーマ』の世界を駆け巡ってみて。

田島 諒=文

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