④『池袋ウエストゲートパーク』
全11話の観了時間=約8時間39分(『SOUPの回』を含むと約10時間13分)
『池袋ウエストゲートパーク』ブルーレイ コンプリートボックス 3万4320円/製作著作・発売元:TBS、発売協力:TBSグロウディア、販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント © TBS © 石田衣良/文藝春秋
現在、30代中盤から40代の人にとって『池袋ウエストゲートパーク』(略称『I.W.G.P.』)は確実に青春の1ページであり、時代を象徴する伝説的テレビドラマだ。
放映されていたのは2000年であり、タイトル通り撮影場所は当時の池袋をメインとしており、登場人物のファッションと合わせて無性に懐かしさとノスタルジーが感じられる。
そんな『I.W.G.P.』が今年の元旦にネットフリックスで配信されると聞いたときには驚いた。
しかも、人気作品ランキング日本トップ10(テレビ部門)で上位を記録し、そのヒットを受けて、主要登場人物の窪塚洋介さんがSNSで『I.W.G.P.』に触れたメッセージを発信するなど、何かと話題を集めていた。
放映から23年の時を経て、再び世間に受け入れられた理由は多々あるだろうが、大きな理由として、超豪華なキャスト陣があげられるだろう。
主人公のマコト(真島 誠)を演じたのはTOKIO在籍時の長瀬智也、彼女役は加藤あいが担当した。先述の通り、窪塚洋介に坂口憲二、佐藤隆太、ジャニーズJr.時代の山下智久、高橋一生、妻夫木聡と、ちょっと列記しただけでも異様な並びとなる。
今は実力派として活躍する俳優たちの23年前の姿が見れるのは、現在のファンにとってもリアルタイム世代にとっても喜ばしいことだ。
本作が制作された2000年前後、東京は裏原カルチャーなどのサブカルチャーが生まれ成長している時代。ファッションという観点以外にも渋谷や新宿、池袋と繁華街には街ごとのルールや人がいた。
例えば、窪塚洋介は池袋を根城とするカラーギャング、Gボーイズのボス役であり作中ではキングという愛称で呼ばれているのだが、この雰囲気が実際に街にあった。
昨今、10代、20代のユース層が、’90年代後半から2000年代東京生まれのグラフィックなどからインスパイアされたものを提示したりもしている。そいうした東京サブカルチャーの原点にあった空気が漂っている作品とも言えるだろう。
このドラマは、あの宮藤官九郎が29歳で初めて連続ドラマの脚本を担当した作品でもある。
そうした映像制作という面においても斬新で新しい表現が落とし込まれているのだ。言わば、現代のストリートやカルチャームービーへ繋がる分岐点となった重要作と考えることもできるかもしれない。
ライトに楽しく堪能できる内容なので、空いた時間があったら構えず何となくつけてみるといいのでは。キング(窪塚洋介)とマコちゃん(長瀬智也)、カッコいいですよ!
5/5