③『バットマン』
11作品の観了時間=約25時間5分
デジタル配信中。『ダークナイト』ブルーレイ 2619円、DVD 1572円/発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント ©BATMAN and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
ご存知の通りだろうが、バットマンはDCコミックス発のアメリカンヒーローだ。その誕生は1939年。スーパーマンが登場した翌年のことであり、登場と同時に人気を集め、コミックスとしては1986年の『バットマン:ダークナイト・リターンズ』で最高潮を迎えたとされている。
バットマンと他ヒーローとの違いを考えたときに出てくるのが、ダークヒーローのオリジンであるという点だ。
スーパーマンがヒーローとして品行方正で優れた人格を有し、天から特別なパワーを与えられた超越者的存在として描かれていたことに対して、バットマンは非常に人間くさい。
ブルース・ウェイン(バットマンの本名)は暗いトラウマを抱えた億万長者なわけだが、肉体的に格別優れた要素を持ち合わせているわけではない。
そんなノーマルな人間が肉体を鍛え、高価な高性能スーツと車を自ら開発して悪に対峙し、街を守りながら自らも悪人として警察に追われるという形を取る。どこか影のあるヒーロー像であり、自己犠牲的精神とストイックな姿勢を持つ。
まさに文字通りに闇の騎士(ダークナイト)。
現代においては、そういうダークヒーローが映画や漫画に登場するし、こと日本には実に多いと感じるが、その起源としてバットマンがあるわけだ。同時に魅力的な敵役も豊富に存在する。特にカルト的な人気を誇るジョーカーの存在は大きいだろう。
映画のバットマンシリーズを一気観する面白さとして、シリーズによって、それぞれバットマン像を観れる点が挙げられる。
大いに話題を集めたクリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』トリロジーの3部作では、自らを卑下し、葛藤を繰り返しながらも、何とか立ち上がるバットマンの姿が観られる。
一方で1989年に公開されたティム・バートン監督の映画『バットマン』は非常に孤独な男として表現されていた。どれも暗さを背負ったヒーローであるというところは共通しているのだが、そのニュアンスが作品ごとに異なるので、そういった点にも注目して観てほしい。
目下、最新作のバットマンは昨年公開の『THE BATMAN -ザ・バットマン-』。本作も配信中なので、まずはここから観ても良いだろう。そして、お次は『ダークナイト』トリロジーをどうぞ。
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