渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
▶︎すべての写真を見る ベドウィン&ザ ハートブレイカーズのディレクター・渡辺真史さんが、東京を案内してくれるオーシャンズの連載「
TOKYO探訪」。
今回は、ナイトクラブやアナログレコード店など、彼のアンテナにビビッときた東京のカルチャーを感じられるディープなミュージックスポット4選をお届け。
それぞれの記事では、店主と渡辺さんのほっこりトークからお店の魅力を探ることができるので、そちらもぜひご覧あれ!
1. 音圧を体感できるナイトクラブ「エンター」
まずはテクノやハウス音楽に力を入れているというナイトクラブ「エンター」。
「コンタクト」「ヴィジョン」という象徴的なハコが閉店していく中で、昨年12月、渋谷にオープンした。ナイトクラブシーンは、活況を取り戻しつつある。
ここの特徴は、ハイスペックな機材が揃っていて音圧が魅力なこと。踊りたい人、音楽を聴きたい人が遊びに来ているという。
「今の子たちは、スマホで音楽をディグって聴けるけど、耳にしているのはイヤホンからで。だから、改めて、『エンター』の“音圧”を体感していただきたいなと」(ディレクター・人見太志さん)
家では体験できない音圧を感じられる入り口、まさに「エンター」。同じ趣味を持つもの同士で、また渋谷の夜を過ごそうじゃないか。
2. カルチャーの匂い漂う「ビッグ ラブ レコーズ」
お次は、原宿と千駄ヶ谷の間にあるアナログレコード店「ビッグ ラブ レコーズ」。
ここはセンスのいいレコードが揃っているのが魅力で、併設しているカフェスペースには音楽やアートを楽しみたい人たちが集う。
「最近はSNSで簡単につながれるけど、それって本物?って思う。実際に会って、その人の中身を知ってじゃないと、少なくとも私はつながれない。その意味でお店も、レコードも象徴的な存在です」(ディレクター・平田春果さん)
アナログな音、物体としての重み。お店に揃うレコードからは、そんな独特の温もりを感じられる。
3. 世界中の音楽好きが集まるバー「ビート カフェ」
「この店は本当に人との距離の取り方が絶妙」と渡辺さんが通う、渋谷区道玄坂の小さなバー「ビート カフェ」。クラブやライブハウスが点在する地で、同じく音楽に紐づくお店だ。
バーテンダー・KATOMANさんは、レコードレーベルのディストリビューターやオーナーなど、長く音楽に携わってきた。そのためか、音楽好きはもちろん、世界中の、それも人気のバンドマンが楽しみに来るという。
ただ、ここには、いわゆる“音楽好き”が陥りがちな排他的な雰囲気はない。
「入り口を広く開けていたいし、店ではすべてがイコールになるよう気を付けているよ。どんな経歴や職業の方が来ても基本は一緒。酒と音楽、コミュニケーションを楽しむ場所。だからみんなも、変にカッコつけないのかもね」(KATOMANさん)
店内には、肩の力を抜いて、ただ音楽を楽しむという時間に浸れる空間が待っている。
4. 行列ができるカレー店「ヨゴロウ」で音楽を楽しむ
最後は、渋谷区神宮前のカレー店「ヨゴロウ」。
店内にはレゲエが流れていたり、レコードが席の仕切り板になっていたり、店内の雰囲気が音楽好きにはたまらないのだ。
というのも、店主は音楽好きの元ファッションライター・西 暢央さん。ご自身でもバンドを組んでいるそう。
カレー激戦区でもあるこの地で2009年から営業している同店は、もちろんカレーがウマイ!
「本当にうまくて、日本人が馴染みやすいインドカレーというか。でも、日本のいわゆるカレーじゃなくて。定期的に食べたい味」と渡辺さんも太鼓判。
ファッションの聖地で、いい音楽を聴きながらカレーを食べる。ありそうでないこの組み合わせは、クセになりそうだ。