その後もハスラーは、2015年は9万5557台で9位、2016年は85762台で7位、2017年は72600台で10位、2018年は65291台で9位、2019年は57840台で9位という販売記録を残す。大ヒットとまではいわないが、ランキングのベスト10の常連となっているのだ。
2010年代の後半は、普通乗用車の領域でも、ホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」が売れ、久しぶりにトヨタ「RAV4」が復活するなど、SUVの注目度が高まってきた時期だ。この流れに、ハスラーは見事に乗ったとも言えるだろう。
2014年に登場した初代ハスラー(写真:スズキ)
そんなハスラーは、2020年1月にフルモデルチェンジを実施し、第2世代へと世代交代する。新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」や新型エンジン&CVTを採用するなど、中身を一新させつつも、コンセプトやデザインは先代を踏襲。2代目も、先代と同様に丸目の可愛らしいクロスオーバーとして売り出された。
2020年にタフトが登場し市場を牽引
無人の荒野に、軽自動車クロスオーバーSUVという新領域を生み出したハスラー。その2代目の誕生から半年後となる2020年6月に、ついにライバルが登場する。それがダイハツのタフトであった。
タフトは、ダイハツの新世代アーキテクチャ「DNGA」の第3弾として誕生。スクエアなボディに15インチの大径タイヤを備え、そして190mmの最低地上高を実現させた。ヘッドライトはハスラーと異なり角形に。タフで力強いクロスオーバーとして登場したのだ。
ハスラーよりもスクエアが強調されるタフト(写真:ダイハツ工業)
では、ライバルが登場したことで、ハスラーの販売はどうなったのか。また、タフトはどれだけ先達に対抗できたのか。
2020年通年の販売台数は、ハスラーが8万0114台で販売ランキング6位。それに対してタフトは、4万2942台で12位。6月デビューで販売期間が半年しかなかったタフトが総数で負けるのは当然のことだが、1カ月あたりの平均販売台数で見れば、後追いで登場したタフトのほうが勝る結果であった。
翌2021年はどうかと言えば、ハスラーが8万2486台で7位、タフトが6万2278台で8位。なんと、ハスラーは前年を超えるほど数字を伸ばすことに成功し、タフトに2万台もの大きな差を付ける。ライバルが登場したことで、ハスラーへの注目度も上がったのだろう。
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