エイトン ディレクター 久﨑康晴さん 54歳●糸から徹底的に追求する素材へのこだわりはブランドのクリエイティブにも反映。年に一度行われる染色のオーダー会は、男女問わず幅広い層から大好評。
▶︎すべての写真を見る 昔から染色の研究を重ねてきた「エイトン」ディレクターの久﨑康晴さんが、ここ10年ほど特別な感情を抱くのが藍である。
「機械で生み出した均一的な色より、粒子の大小がもたらす粗さによる藍に美しさを感じます。
フィルムで撮影した写真のような味と温もり、そして広く繊細な色出しの幅。実に、掘り甲斐のある色ですよね」。
墨×藍染めによる可能性を感じさせる普段着
「エイトン」のスウェット「高密度に編まれた多少粗さの残った生地に、松を燃やした際に出る煤を利用する松煙染めを施し藍で染めました。
生地による風合いの良さはもちろん、墨を混ぜることで一般的な藍とは異なる表情を生む。掛け合わせにより生まれるその幅はもう無限大です。
ミックスの可能性を、日々実感します」。
パジャマ以上、スーツ未満なセットアップ
「エイトン」のシャツ、パンツ「こちらも松煙染め後に藍で染めたもの。琉球藍を使用した草木染めです。ブロードだとパジャマっぽくなるので、甘い撚りの糸を使った薄手のコットンローンで製作しました。
動いたときに出るドレープ感や、ヒップに程良く出る溜まり具合が楽ながらも美しい。高級なお寿司屋さんに着ていくこともあります」。
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