「有頂天“コスパ”ホテル」とは…… アートや建築好きにおすすめしたいのが、“芸術作品に泊まる”ことができる「光の館」(新潟県十日町市)。
なんと光と空間を題材とした作品を手がけるアメリカの現代美術家、ジェームズ・タレルの作品に世界で唯一宿泊することができるのだ。
ジェームズ・タレルといえば、日本では金沢21世紀美術館の「ブルー・プラネット・スカイ」で知られているが、その彼の作品を一晩中味わうことができるというわけ。
まずはこの外観を見てほしい。建物をぐるりと外廊下が囲み、正面には大階段と、まるで寺社のような風格。この建物、チェックイン前は一般公開もされているが、6名以上で宿泊をすれば、貸し切りにできるというのだから、それだけでお値打ちというもの。
ちなみに「3家族がこの館で一晩交流すること」を望んだという作者の意向を汲み、少人数の場合は、違うグループと同泊になる可能性があるので、ここはぜひ仲間や友達と訪れるのがベストチョイスだ。
さて、この作品のインスピレーション源となっているのが、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」。
「われわれが既に失いつつある陰翳の世界」を表現しているというだけあって、さまざまな光と影のニュアンスを楽しむことができる。
1階にある風呂「Light Bath」。
例えば1階にある風呂「Light Bath」は、浴槽に光ファイバーをあしらうことで水中に光が満たされるようになっていて、風呂に入ると光に触っているような不思議な感覚を味わうことができる。
ちなみにガラス戸を開ければ、豊かな森が見えるので、朝風呂も最高に気持ちいい。
また2階の和室「アウトサイドイン」は、天窓から空が眺められるようになっていて、この天窓を開閉できるのは、宿泊者のみ!(天候により解放できない場合もあり)
ガラス窓などははまっていないため、気持ちの良い空気と、空の光を思う存分堪能することができる。畳の上にゴロリと寝転がって、移ろう空をボ〜ッと眺めていると、あっという間に時間が経ってしまう。
忙しい毎日を送っている人ほど、最高のリラックスタイムになるはずだ。
また日の入りと日の出の時間には、ライトプログラムも実施。これを見られるのも宿泊者の特権だ。
レストランがないため、食事は備え付けのキッチンで自炊または持参をしなくてはいけないし、布団の上げ下げも自分たちで行わないといけないが、芸術作品の中での体験と思うと全てが楽しく感じられる。
アート空間の中で寝食するという、子供をアートに触れさせるのにも絶好の宿。ぜひ一度足を運んでみて欲しい。
[施設詳細]住所:新潟県十日町市上野2891電話:025-761-1090
料金:施設基本使用料3万円(4月1日〜11月30日)、2万5000円(12月1日〜3月31日)※利用料、寝具レンタル料、ごみ処分料別途MAIL:hikari01@hikarinoyakata.comwww.hikarinoyakata.com/