一番下のハッシュタグにヒントが隠れているのだが……(2023年3月10日の投稿)。
「僕は本当に日本映画が大好きです」。
映画『ある男』に出演し、第46回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞に輝いた俳優・妻夫木 聡さん。授賞式では目を潤ませながら喜びを語った。
無論、それは美しく感動的な瞬間だったが、妻夫木さんの当日の衣装には“あるドラマ”が隠されていたのをご存知だろうか。
そう、実は彼が纏ったディオールのタキシードはかつて、“紛失事件”に巻き込まれていたのだ……。
公式インスタグラムのストーリーで“ロストバゲージ“を報告(2022年9月1日)。
2022年9月1日、べネチア国際映画祭に参加すべくイタリアを訪れた妻夫木さんだったが、なんと空港でまさかの“ロストバゲージ”。荷物の中には映画祭で着用する衣装=ディオールのタキシードが入っていたのである。
ハレの日に見舞われた予想外のハプニング。本番は目の前に迫っている。時間までに荷物が返ってくる可能性は限りなくゼロに近い。かといって、私服で出るわけにもいかない。
「オワタ……」と思った(はずの)妻夫木さんだったが、ここで立ち上がったのが現地ヴェネチアのディオールである。驚くことに現地のブティックで緊急フィッティングをし、妻夫木さんの体にピッタリ合った新タキシードを即座に用意したのである。
それがこちら。
ディオールの新衣装をまとい、無事に映画祭に参加できたと報告した妻夫木さん。ディオールスタッフへの溢れんばかりの感謝の気持ちが読み取れる。(2022年9月2日の投稿)
フィッティングして、体にぴったりと合ったスーツを用意するまでにはそれ相応の時間がかかる。よほどの技巧と知識がない限り、その場でちゃちゃっとなんてまず無理。
しかし、ディオールはそれをやってのけた。
ディオールがいかに凄まじいクラフツマンシップを持っているかを実に雄弁に物語るエピソードである。
ちなみに、紛失トラブルに見舞われたバッグは数週間後に妻夫木さんの元に返ってきたそうだ。
一番下のハッシュタグに注目。(2023年3月10日の投稿)
そして、今回の日本アカデミー賞で満を持して纏ったのが、ロストしたバゲージの中に入っていたディオールのタキシードだったってワケ。
12年ぶり2度目の最優秀主演男優賞を受賞した妻夫木 聡さん。この日本を代表する俳優の晴れ舞台は、超越的な技術を持つディオールがさらに鮮やかに彩っていたのだ。いや〜、いい話!