空気を読めてしまう年齢だからこそ
一般的な40代の多くは、会社では上と下の世代に挟まれ、家庭では父親や夫、親にとっては息子という存在で、行動や責任を何かと求められがちだ。他人の期待に答え、無理をし続けてきた森山だからこそ伝えられる、同世代へのメッセージを最後にもらった。
「僕らの世代って空気が読めちゃうと思うんです。自分の本当の気持ちを我慢して。でも、我慢すると結果的に自分と誰かを傷つけてしまうことになる。もし、そんな環境に耐えかねて心が死んでしまいそうだったら、そのことだけは自分で気づいてあげてほしい」。
自死してしまったという友人に思いを馳せながら、森山は森山が考える対処法を教えてくれた。
「さっき話した孤独を確保するっていうのとちょっと矛盾するけど、同じくらい必要なのは自分をさらけ出すことだと思います。アウトプットする図々しさを持つ。
大きな問題は認識しやすいけど、小さくて些末なことって気づきにくいんですよね。溜まっていきやすい。だから、埃みたいな塵みたいな鼻っかすみたいなものでも、どんどん外に出していく。人に話せば一歩引いて、それを認識することができるから」。
アウトプットする相手は誰でもいい、と森山は続ける。
「プロのカウンセラーでもいいし、友だちでも誰でもいいですよ。信頼できる相手を1、2人見つける。相手の話も聞いて、『じゃあ、俺も聞いてほしいことがあるんだけどいい？』って聞いてもらう。それは傷の舐め合いになるし、一見、何の生産性もないんだけど、大事なことなんです。
相手に迷惑はかけるかもしれないけど、迷惑はかけるものだから。だって関わってるんだもん。その分、自分にしかできない仕事をがんばるベクトルに自分を持っていけばいい。本音を隠してきて、今まで何かいいことありましたか？って話で。自分をさらけ出しましょう」。
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森山の言葉のどこを切り取っても、一つひとつに魂が宿っているように感じるのは、森山自身が苦悩に真摯に向き合いながら辿り着いたリアルだからだろう。
新曲『さもありなん』配信リリース！
新曲『さもありなん』が3月1日に配信リリースされた。またこの曲が主題歌になった映画『ロストケア』は3月24日（金）から全国公開が始まる。
映画『ロストケア』主題歌 森山直太朗「さもりありなん」（ユニバーサルミュージック）
森山直太朗「さもありなん」Music Video 
映画『ロストケア』 3月24日（金）全国公開
公式サイト：https://lost-care.com/
出演：松山ケンイチ 長澤まさみ 鈴鹿央士 坂井真紀 戸田菜穂 峯村リエ 加藤菜津 やす(ずん) 岩谷健司 井上肇 綾戸智恵 梶原善 藤田弓子／柄本 明
原作：『ロスト・ケア』葉真中顕 著／光文社文庫刊
監督：前田哲
脚本：龍居由佳里 前田哲
主題歌：森山直太朗『さもありなん』（ユニバーサル ミュージック）
音楽：原摩利彦
制作プロダクション：日活 ドラゴンフライ
