「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:飲食業役員・46歳「創業者は小さな飲食店からスタートし、現在は宿泊業や不動産業など多角的な経営で会社を成長させてきました。
社長を息子に譲って会長になってからも、その影響力は大きく、会長の発言を否定できる役員もいない状況です。
75歳を超えて間違った指摘も増えてきており、”老害化”に対応するのに辟易してしまうことも……、会長に育ててもらった恩義はあるのですが、どう対応すればよいでしょうか」。
アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
愛を持って対応してあげてください
私も既に50歳超で、「老害」は他人事ではありません。老眼も進み電車の電光掲示板などが見えなくなってきましたし、人の名前が思い出せなくなってきました(涙)。
人は誰しも老化します。若いときと同じ能力が発揮できなくなることもあるでしょう。若い人から見れば自分も「この老害が!とか思われているのか」と思いながら、この回答を書いています。
会長は一代で今の会社を築き上げた才覚の持ち主なのですから、きっと自分の能力が減退してきていることも気づいているのではないでしょうか。
恩義のある人ということですから、どうぞ愛を持って対応していただきたいとは思います。自分もいつか行く道です。
しかし、それはそれとして、大層お困りなのはよくわかります。大きな権力を持っている人の能力が衰えていけば、周囲への影響は計り知れません。
ですから、なんらかの策を練る必要があります。私も対策を練られるほうかもしれませんが、一緒に考えてみたいと思います。
「言葉の背景」を知っているか
どんな人を動かすにしても、まずは相手を知ることが先決です。質問者は「間違った指摘」とありますが、それはどこまで本当でしょうか。
日本は世界一ハイコンテクストな(共通の文化基盤が厚い)国らしく、多くの人が「皆まで言わない」文化です。足りない言葉を想像で埋めて、お互いに相手が言わんとすることを理解しようとしています。
会長は自分の会社にどっぷり浸かった人生を歩んでいるわけですから、ハイコンテクストな「あうんの呼吸」の文化に他の人以上に親しんでいるはずです。
そのため、会長の話の本意を理解しようと思えば、「言っていないこと」「言葉の背景」を知らなくてはいけません。
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