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2023.02.15

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きっかけはタランティーノ。美術監督・種田陽平がポータークラシックの店舗をデザイン

(左から)ポータークラシックの𠮷田玲雄社長、美術監督の種田陽平

(左から)ポータークラシックの𠮷田玲雄社長、美術監督の種田陽平

当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら

日本映画界を代表する美術監督・種田陽平が、ファッション・ブランドの店舗デザインを手がけた。2022年12月に東京・銀座にリニューアルオープンした「ポータークラシック」の新店舗「PORTER CLASSIC 銀座」だ。

その店内は、まさに映画のセットのよう。もちろん商品を展示・販売することを考えて照明などの配慮も行き届いている。

店舗に入ると、大きな船に乗ったかのような気分を味わえる / ポータークラシック提供

店舗に入ると、大きな船に乗ったかのような気分を味わえる / ポータークラシック提供


ポータークラシックの世界観やものづくりの背景などをうかがい知りながら、ブランドを象徴する1点ものの古生地のジャケットや刺子のシリーズなどの買い物体験ができる場所だ。
 
種田は、1996年に「スワロウテイル」(岩井俊二監督)で第20回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞し、2003年にはハリウッド作品「キル・ビルVol.1」(クエンティン・タランティーノ監督)で米国美術監督協会の最優秀美術賞にもノミネートされている。

その後も、三谷幸喜監督やスタジオジブリの作品で美術監督を務めるとともに、中国映画や台湾映画でも活躍。2015年には、再びタランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」で、南北戦争後の雪深いワイオミングの「服飾店」をスクリーン上に印象深く再現している。

また、先の「東京オリンピック・パラリンピック2020」 の開閉会式では、舞台美術も担当。映画だけではなく、ジャンルを超えて国内外に活躍の場を広げている。

一方、今回コラボレーションしたポータークラシックは、𠮷田克幸会長と息子の𠮷田玲雄社長が2007年に設立したファッションブランド。全国5カ所に直営店を構える。「メイド・イン・ジャパン」にこだわり、職人技術や芸術文化を取り入れながら、次世代、次々世代にまで愛される商品を展開している。

社長の𠮷田はアメリカ留学時代に大学で映画を学んだ映画好き。しかも自らが執筆した紀行エッセイ「ホノカアボーイ」(2006年)は、2009年に同名映画の原作になるなど、映画との関係も深い。

銀座店のデザインを日本映画の「至宝」でもある種田に依頼したのも、そのような映画との近しい関係があったと想像するに難くない。

「PORTER CLASSIC 銀座」の入り口 / ポータークラシック提供

「PORTER CLASSIC 銀座」の入り口 / ポータークラシック提供


映画とファッション・ブランドのコラボレーションを実現した種田陽平とポータークラシック𠮷田玲雄社長に、今回の発想の原点とそれにまつわるビジネス戦略について聞いた。



──以前からお2人は面識があったのでしょうか?

𠮷田:初めてお会いしたのは、2021年の11月です。ずいぶん前から種田さんの仕事には関心を持っていましたが、店舗デザインをお願いしたいと考えたタイミングで、共通の知人を介してお会いしました。

ちょうど「舞子さんちのまかないさん」(是枝裕和総合演出、Netflixで配信中)という作品の美術監督として、京都の撮影所にいらっしゃるときでした。といっても、その日は一緒にお昼を食べさせていただいて、セットを案内していただくだけでした。


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