オンやホカは、なぜ大人にウケるのか?
――パフォーマンス系のシューズがウケる理由は何なんでしょう? 本明 たぶん、エア フォース 1とかダンクなんかのカップインソールって、人によっては履きづらいんじゃないかなって。
やっぱり今のトレンドとしては、新しいテクノロジーがないと売れないんですよね。オンにしてもホカにしても、軽くてクッショニングが良い。そういうものが売れるのかなと。
本明 あとはニューバランスみたいに、世の中に定番として浸透しているもの。「これなら仕事にも行ける」という具合に、オンとオフを兼ね備えた商品は好まれますね。やっぱり、景気が悪いんだと思うんですよ。
――なるほど。 本明 景気が良ければ、遊び用と仕事用を分けて揃えるものじゃないですか。色にしたって、白か黒、あるいはグレーとか、そういうどこにでも履いていけるもの、合わせやすいものに偏りすぎている。ニューバランスだって売れるのはグレーばっかりですしね。
――それでもニューバランスやナイキの人気はまだ続きそうですか?
本明 まだまだ売れると思いますよ。ただ、履き心地とかテクノロジーの凄さは求められるけど、いわゆる
プレ値というか、付加価値はそれほど求められなくなってくると思います。モノが溢れすぎていて消費しきれないというか。
プレ値で取引されることも多いナイキの「エア ジョーダン 1」。
ジョーダンのOGとか、トラヴィス・スコットやサカイとのコラボなんかも人気はあるけど、やりすぎちゃうと当然価値は落ちてくる。結局、ないものが売れるんですよ。だから出回る量と頻度、その辺のバランス次第ですよね。
2023年は、サロモンが存在感を増していく?
――それでは、2023年の注目スニーカーを教えてください。
本明 やっぱり
軸はナイキでしょう。特にエア フォース 1はまだまだ強いと思います。若い人たちのファッションのトレンドとも噛み合ってるし、長持ちしますしね。
不景気のときは真っ白か真っ黒のエア フォース 1が売れると僕は思ってます。
――40代に売れそうなスニーカーだとどうでしょう。 本明 そこも大きく変わらずで、
ニューバランス、オン、ホカあたりだと思います。それ以外だと、サロモンが勢いを増すかもしれません。「XT-6」っていうモデルは今年すごく売れました。それも黒。ソールがゴツゴツしてるので、街履きとしてそこまで大きく浸透するかは気になりますけどね。
3/3