「良いものを大切に履く」スニーカー市場にも変化の兆し
――2023年、スニーカー市場にはどんなムーブメントが起こりそうですか? 本明 ここ10年くらい、業界的には右肩上がりですけど、なんかそれに飽きちゃったというか……。スニーカーブームは一旦落ち着くと思ってます。
――なるほど。 本明 ちょっと話が逸れますけど、今年パタゴニアが「私たちの株主は地球です」って言って株をドネーションしちゃったじゃないですか。ああいった運動が起こってくると、例えば企業が「モノをたくさん売って金を儲ける」っていう資本主義のカタチも、変わってくると思うんですよね。
――消費のマインドも変化しそうだと。
本明 そう、端境期だと思います。例えば今、古着がブームなのは安くて、自己主張できて、なおかつ環境にも優しいからっていうのもあると思うんですよ。だから今までみたいに、発売してすぐに買って家に置いとく、みたいなスタイルが、もしかしたら無くなっていくんじゃないかなって。
僕、子供がふたりいるんですけど、確実に自分と違うなと思うのが、彼らは靴を2足しか持ってないんです。「いくつもいらない」って。良い靴を買って、しばらく履いて、古くなったら綺麗にして、リセールしてまた新しいのを買うわけです。そうやって2足をぐるぐる回してる。
本明さんがここ数年愛用しているザ・ノース・フェイスのパンツ。複数本をローテンションして、大切にはき続けている。
――良いものを買って、大切にするっていう流れが大きくなっていくと。 本明 そういうトレンドは、今後も続いていくと思いますよ。結局、良いものは売れるし、履きやすいものも売れると思います。で、履きやすいものには最先端のテクノロジーがあって然るべきで、2023年以降、さらに流行っていくんじゃないかな。
――今後、アトモスとしてはどんな仕掛けを考えていますか? 本明 スニーカーだと、1月下旬にアディダスの「キャンパス シュプリーム」が復刻されたりとか、別注もアシックスやドクターマーチン、アグ、アディダス、プーマなど、いろんなメーカーさんと予定はしていますよ。
あとは引き続き、イベントやトークショーなんかも毎週のようにやっているんで、チェックしてみてください。
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「話題がなければ作っていく」と語る本明さん。スニーカー以外にもさまざまなトピックを振りまいてくれそうなアトモスから、2023年も目が離せそうにない。