「ウコンの力」「ヘパリーゼ」は誤解だらけ!?
ーーやっぱり飲み会の前には、「ウコンの力」のようなウコンドリンクを飲んでおいたほうがいいですか? ウコン自体には炎症を抑える効果があるので、アルコールによる体内の炎症によって二日酔いになってしまう人には有効だと思います。
肝臓の力をアップする成分が入っていると勘違いしている人も多いのですが、そうではありません。これを飲むだけでアルコールの分解が早まるということはないので、心得ておいたほうがいいでしょう。
ーーそうだったんですね……。 ドリンク剤の中では「ヘパリーゼ」も有名ですが、あれは栄養剤なんですよ。
ーーえ!? 肝臓を分解して作った肝臓水解物ではありますが、二日酔いにいいとはひと言も謳っていないんです。肉体疲労時の栄養補給とか滋養強壮といった効能が書いてあるだけ。
ただし、アミノ酸やビタミンといったアルコール分解に必要な成分が入っているので、サプリ的な意味では積極的に摂取したほうがいいと思います。
ーーでは、ほかの栄養ドリンクも二日酔いにいいってことですか? そうですね。アミノ酸やビタミンが配合されているものは効果的だと思います。ただし、カフェインが含まれている栄養ドリンクは利尿作用があるので注意が必要です。
ーー牛乳で胃に膜を作ると二日酔いになりにくいともいいますが、これは本当ですか? これはまったくのウソ。牛乳に含まれるタンパク質が分解されてできるアミノ酸は二日酔いに効果があるので、おつまみとして乳製品などからタンパク質を摂るのは、ある程度効果があると思います。ただ、“牛乳で膜”というのはあまり意味がないと思います。
二日酔いしにくいおつまみって?
ーー飲み会での定番おつまみといえば唐揚げ。でも翌日の胃腸のことを考えると、油ものは控えるべきですよね? 飲む前に油ものを摂ると、油が胃に長く留まります。するとアルコールの吸収を穏やかにしてくれる効果があるので、少量ならむしろ食べることをおすすめします。
ただし、揚げ物はカロリーが高いので、二日酔い云々ではなく太るということには注意が必要です。
ーー油ものがアルコールの吸収を穏やかに……。意外です。 飲み始める前には、胃を守るためにも少し食べておいたほうがいいでしょう。タンパク質と脂肪、食物繊維が含まれているものをバランスよく食べることが大事。特にチーズや刺身、枝豆なんかがいいですね。
ちゃんぽんで二日酔いになるわけではない
ーーちゃんぽんすると二日酔いになりやすいとよくいいますよね? ちゃんぽん自体が悪いわけではありません。二日酔いの原因は質より量。いろんなお酒を飲むことで、前に飲んでいたお酒のことを忘れてしまうことが問題なんです。
ーーそういわれるとそうかも。 飲む順番もあまり関係はないでしょう。ただし、アルコール濃度の低いものから飲み始めて、体内へのアルコールの吸収を緩やかにするように、飲み方を工夫するのはいいと思います。
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記憶も自制心も失わず、如何に飲み過ぎないようにするかが二日酔いを予防する最大のポイント。
とはいえ楽しい飲み会ではついつい杯を重ねてしまうもの……次回は飲み過ぎた翌日の二日酔い対策をお届けしよう。