②「洗練とラギッドのバランスを取っている」から支持される
後ろ姿も美しいグランドチェロキー。伝統の台形ホイールアーチといった本格SUVとしてのディテールはもちろん継承しつつ、曲線と直線の絶妙なバランスがスマートな印象をもたらす。
「新しいグランドチェロキーのインテリアは、“滝のように流れる”イメージを具現化しました。ドライバーの目の前に広がるダッシュボードも、新たに加わった3列シートも、ダイナミックな落差を保ちながら、高いところから水が流れこむ印象を大切にしています。
もともと前モデルから高品質な素材や仕上げ、高性能なテクノロジーによってプレミアム感を高めていましたが、この第5世代ではさらにラグジュアリーさとプレミアム感を追求しました」と語るクリス氏。
グランドチェロキーのコックピット。「流れる滝」をイメージしたというクリス氏。上質なレザーとウッドのコンビネーションによりプレミアム感のある空間に仕上がっている。
センターコンソールを中心に、翼のようにシンメトリックに両サイドのドアまで繋がる(クリス氏は「メタルウィング」と表現)空間は、コンソールパネルのウォルナットと上質で艶やかなレザーとの相乗効果で、非常にラグジュアリーだ。
また、クリス氏がメタルウィングと称したように、パネルの枠やコンソール上のスイッチ類のメタルが、スマートかつプレミアム感を強調している。
パーツの素材感が上質な印象をもたらす。回転式のシフトコントローラー「ロータリーシフト」はジープ初装備。
世界的に高まるSUVのラグジュアリー化。ジープも例に漏れず、洗練された印象を強めているが、ただ高級感だけを意識しているわけではない。ジープが本来持つラギッドさとのバランスが絶妙だからこそ、アクティブ派に支持されつつも、プレミアム感が高まっているのだ。
「そう! プレミアム感は2つの要素の組み合わせによって高まります。新しいグランドチェロキーのインテリアは、ウッドとレザー、樹脂とメタルを巧みに組み合わせることで、上質な空間を実現しました。
また、組み合わせの際はデザインも凄く重要です。ウッドとメタルでダッシュパネルを形作る際、流麗なラインで仕上げることでプレミアム感はアップします。テクノロジーの象徴であるタッチスクリーンをウッドのコンソールにただはめ込むのではなく、まるで彫刻を置くようにセットすれば、さらにラグジュアリーさは増します」とクリス氏。
こういった“要素の組み合わせ”はもちろん、コマンダーをデザインする際にも用いられた手法だ。それはジープが“都会と自然をつなぐ車”であることを考えれば、必然のデザインなのかもしれない。
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