「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:システム開発会社・39歳「管理職になって1年が経過しようとしていますが、まったく慣れません。
業績や納期についての責任はもちろん、現場と経営の板挟みになることで頭を悩ませたり、部下のメンタルに気を遣ったりすることが、本当につらいです。
自分は管理職に向いていないので、このままなら会社の退職も考えています」。
アドバイスしてくれるのは……
そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
「管理職」は成果に責任を持てばよい
確かにおっしゃるように「管理職」という言葉からは部下のさまざまな行動や思考を日々監視してチェックするというようなイメージがあります。
しかし、「マネジメント」概念の創設者と言われている経営学者のP.F.ドラッカーは「組織の成果に責任を持つ者」と定義しています。
極端に言えば、どのような手段を使うかどうかはどうでもよく、最終的には自分の管轄する組織に求められる成果を実現できればよいとも言えます。
つまり、もしも今の一般的な「管理職」的な業務が自分に合わないのであれば、もっと自分の性格や能力に合った「管理職」の仕事に変えてしまってはどうでしょうか。
管理業務を全部自分でやる必要はない
例えば、「管理職」的な業務のすべてを自分ひとりでする必要はありません。自分が部下のモチベートは得意だが、ネガティブフィードバックは苦手ということであれば、後者を自分の部下の中でのリーダークラスで最も適性のある人に任せてもよいのです。
実際、私の会社でも、ネガティブフィードバックは主にパートナーの役員が中心にやってくれていたりします。
また、仕事が忙しくて、部下から日々の情報収集やモニタリングができないのであれば、中途半端に自分でやるよりも、チームを小分けにして、そこに担当者をつけて1on1ミーティングをしてもらって、間接的に情報収集をしてもよいでしょう(これも弊社で実際にやっており、集めた情報をまとめて教えてもらうミーティングを毎週やっています)。
ほかにも、マネジメントのうち、タスクマネジメント(仕事の進捗管理など)はリーダーに任せてピープルマネジメント(育成や評価や動機付けなど)は自分がやるとか、、会社の人事制度上はなくても0次評価をリーダーにつけてもらって1次評価は管理職である自分が行うなど、分業できることはいろいろあります。
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